[水槽]
硝子の壁に
張り付いて
何時までも
眺めていた
私の目の前を
ゆっくりと横切る
大きな大きな熱帯魚
私の部屋よりも
大きな水槽を
泳ぐその姿は
何処か寂しげだった
故郷の大河を思い
私の部屋よりも
広い水槽を
ぐるぐると
泳いでるのか
私の部屋よりも
広い水槽…
そんなものより
遥かに広く
暖かい大河を思い
ゆらゆら
泳いでるのか
決して帰れない
故郷を思い
泳いでるのか
そんなことを
考えつつも…
僅かばかりの
金を払って
君を眺めている
私も共犯なんだと
そう…思った
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