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小公女襲名。〜Roman de Princesse

[236]  なぎ(栞雫月 凪)  2010-01-17投稿




せかいは、おもっていたよりざんこくでした。







ただ、あいしただけだったんです。


ただ、それだけだったんです。





それを、せかいのことわりがひていした。


それだけです。






わたしは、せかいにきょぜつされたんです。



ぽっかりとこころにあいたあなは、どんなものでもうめることはできませんでした。


だって、それをうめてくれるのは、あのひとだけだったからです。







あのひとをうしなったわたしは、どうじにひかりをなくしました。



あのひとが、わたしのすくいだったからです。







やがて、あたしはわたしをきょぜつするようになりました。


あのひとをあいそうとするわたしを。


あのひとのしあわせをねがったあたしは、わたしをふうじこめました。



あのひとをしあわせにするなら、わたしのしあわせをすてなければいけなかったからです。








わたしのしあわせは、あのひとをあいすることでした。



わたしがねがった、さいだいのしあわせは、あのひとにあいされることでした。







だから、あたしは、あのひとをあいそうとするわたしと、じぶんのしあわせをすてました。



こころは、がらんとくうきょになりました。







せかいとあなたは、
おもっていたよりざんこくでした。











小公女襲名。
〜Roman de Princesse






おひめさまって、どんなもの?


おひめさまの条件ってなに?


――その結論が「常識」なら、あたしは無視する。


だから、あたしの考え。


ひとつめ。

他人を、許すこと。


けど、如何しても許せない奴は赦さないからそれは例外。




ふたつめ。

傅く人達が居ること。


だってその方が楽しいから。



みっつめ。

おうじさまが居ること。


傍に居てくれなくていい、遠くでもいいから。



だって、おひめさまの危機にはすぐ駆け付けてくれるでしょ?

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