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サークルチェンジ #31

[440]  Hollow Man  2010-01-20投稿
「はわぁわぁ。」

テスト当日、隼人は欠伸をしながら登校。
1時限目、早速社会科の問題用紙が配られる。

(うわー手が震えてきた。)
いざテストの時間が来ると、高校入試の時を上回る緊張で隼人の眠気は一気に覚める。


「よーし、始めっ。」
担当教師の合図で生徒たちが裏返しにしていた用紙を表にし、解答を始める。


(うーん…御成敗式目だったなっ)

(えーっとフィヨルド。)

(ん〜でこれが教育、勤労、納税だ。)

快調に進んでいった隼人は残り時間20分を残した所で50問全て解き終えてしまう。


時計を見上げ大きく伸びをすると、緊張の糸が切れたのか途端に睡魔が襲ってきた。
加えて先週から100球以上の投げ込みを続けていたことで、全身の張りがピークに達していたのだ。
(やべぇ眠いし、痛えぇ。)

このテストで80点以上取れなければ秋吉から野球部の監督を引き受けてもらえず、尾張ヶ丘野球部の夏の愛知大会出場は不可能となってしまう。


(もう一回見直しとかねーと。)
左手で右肩を摩りながら右手でペンを握り直す。

しかし、瞼を塞ごうとする猛烈な睡魔が隼人から集中力を削いでいく。

うつらうつら遠のく意識の中、聞こえてきたのは秋吉や正太の声だった。


『野球が本当に好きならできるはずだ。』


『お前と試合で対戦したい。』


(いかんいかん、ここでしくじったら今までの努力が!!)
ハッとした隼人はもう一度問題に目を通し訂正を加える。


大方やり終えたその時、チャイムが鳴った。
「あー終わった。あとは野球。野球。あっ、ピッチカバーやり替えとかねーと。それに…」
問題用紙の回収が終わり席を立つと、隼人は青山との約束を思い出した。

放課後、下駄箱で靴を履き替えようとしていた青山を捕まえると、
「この前、野球道具一緒に見に行くって言ってたじゃん?明日で中間テスト終わりだし、その後行かねーか?」

「いいぜ。どーせ暇だし。」


明くる日の午後、二人はスポーツ用品店のある商店街に向かうため、電車に乗りこんだ。

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