YES 10
あゆの受験が終わってからのことだった。
あの時、私の中で何かが変わってしまった。
今まで、心に決めていた誓いさえ…。
「あゆ。試験おつかれ」
あゆの試験の翌日、登校してきたあゆに声を掛けた。
「カズ。ありがとー。あとは結果が出るのを待つのみ…だね」
……なんか、様子がおかしい。
「…どした?何か、あった?試験、難しかった…とか?」
「…試験は精一杯できたと思う」
「それなら、よかった」
「うん…」
でも、なぜだか引っかかる。あゆの態度…
私には、分かる。
忘れもしない昼休み。
あんたは、照れくさそうに私に言ったね。
「…カズ、私、試験会場でね、気になる人が…できた」
一瞬、息が止まりそうになった。
こんなこと、ずっと前から覚悟していた。
あゆとずっと友達として付き合っていくなら、こういう事、普通にあることだと…。
でも、実際あゆの口からその言葉を聞いて…
こんなにショックを受けるなんて…
自分でも想像していなかった。
続く
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