YES 11
試験会場で隣の席だった。
私はいつものおっちょこちょいで消しゴムを忘れちゃって…
「よかったら、これ使って。俺いっぱい持ってきたから」
私の様子を見て、そう声を掛けてくれた。
「あ、ありがとうございます!助かります…」
それがきっかけで、昼食も彼と一緒に食べた。
彼も動物が大好きなのがすごく伝わってきた。
家には犬、ハムスター、インコ、カメ、金魚などたくさん一緒に住んでると。
試験会場を後にするとき…
「俺、松浦っていうんだ。お互い合格してるといいね」
「はいっ」
「じゃ、入学式で会おう」
「はいっ…」
「…という訳なんだ」
「ふーん」
私は興奮しながら一気にカズに話した。
「あゆは犬とハムスターとインコ飼ってる奴が好きなの?」
「そこは関係ないよー!でも松浦さん動物大好きなんだなって♪」
「ふーん…どこがそんなにいいの?」
「ん?」
「会ったばっかりじゃない」
「うん…だけど…なんか分からないけど惹かれるものがあって」
私は一目惚れなんて信じない方だけど、これって一目惚れなのかな?
「…じゃあ尚更合格しなきゃだね。その松浦にまた会うために」
「うん…」
「……私、先に教室戻ってる」
「え?カズだってまだお弁当…」
私が全て言い終わる前にカズは屋上を後にした。
続く
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