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ツインシャドウ

[412]  テテ  2010-01-23投稿
どうやら私は無事に死ねたらしい。無事にというのは、何事も無くということだ。

タオルを巻いたロープによる自殺方法で苦しむことなく死ぬことができた。まるで眠るように。

それにしても周りが騒がしい。やっと自分の状況を悟った。
なるほど今私は浮遊霊なのか。中学校の登校風景を教室の隅から眺めている。

いつもとかわらない3年2組の教室。あぁ一つだけあるか。
私の死亡宣告。
担任が来た。どれ、一生に一度…いや普通はない経験。まあ心してきくか。

「今日欠席の菅谷だが、貧血らしい」

どういうことだ?私は確かに…。
まあいい、自分の目で確認するだけ。そして私が生きていたら、もう一度私を殺す。

信じられない。私は生きていた。それも悠長にテレビを見ている。

頭に来た。私がどんな思いで死を選んだと思っている。こんな馬鹿げたこと許せない。
絶対に殺す。

憎悪で私を殺せる。そう確信をもって、首に手をかけた。

「なっ」

あろうことか私を羽交い締めにしてきた。

「お前が私ならおとなしく死ね!」
「どうしてわからないかな。自分の気持ちを」

気がつくと私は部屋の中央で佇んでいた。


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