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涙道 4 〜金が無いんじゃ、殴られるしかねぇんだよ〜

[666]  るー6  2010-01-24投稿
ヤミ金は元気の顔を殴りつけた。
「やめてください…。」
「どうせ押し入れにもいるんだろ?」
と言って押し入れを開けた。
元気はヤミ金の足にすがりつく。
「やめろ…。そこだけは…。」
「ほ〜ら。いるじゃん。可愛くない妹が。」
「キャー!」
陽菜は悲鳴をあげている。「陽菜!」
ヤミ金は容赦なく陽菜も殴りつけ、
「金が無いんじゃ、殴られるしかねぇんだよ。」
その言葉が、3人の胸に突き刺さった。
ヤミ金は、テーブルを蹴り飛ばし去っていった。
お母さんは、泣いていて、陽菜は殴られた所を痛そうに手で覆っていて、
元気は、ただ立ち尽くしていた。
「ごめんなさい…。元気。陽菜。こんなことになってしまって…。」
お母さんは、泣きながら謝っていた。
「いいよ。母ちゃんが謝ることじゃねぇし。」
元気はすぐに立ち上がって、食事の用意を再開した。「みんな。メシできたぞ。」
テーブルを立て直した元気は、小さいテーブルの上に、目玉焼きを置いた。
「いただきます。」
3人はあいさつをして、食べはじめた。元気は陽菜のほおが少し腫れているのに気づいた。
「陽菜。ほっぺ腫れてるぞ。」
「大丈夫。お兄ちゃんこそ、腫れてる。」
「そ…そうか?アハハハ。」
元気は笑って、その場を盛り上げようとしたが、みんなうつむいていた。
話を聞いてくれてはいるようだから、元気は口を尖らせて、ご飯を食べた。
静かな時が、流れていく。
ご飯を食べおわり、元気が後片付けをしていたら、急に陽菜がズボンの裾をつかんできた。
「どうした?」
「河原に行きたい。」
元気は、「分かった」と言って、2人で河原に行くことにした。
河原はよく陽菜と行く。特に用は無いんだけど、心を落ち着かせるために。
「じゃ、母ちゃん。行ってきます。」

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