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永久に§6§

[457]  夏姫  2010-01-25投稿
日曜日。
サイの家は、最寄りの駅から30分歩いたところにある。
本当は車で迎えに来て欲しかったけど、自分から行くと言い出した手前、そう頼むのも気が引けた。
それに、あの馬鹿はまだ寝てるかもしれない。
メールや電話して機嫌を悪くさせる気は無かった。

「……やっと着いた〜。…でも、どうしよう?チャイムないし…。取りあえず、ノックしてみるか。」

一人ドアの前でぶつぶつ呟く私。
ノックを三回し、ドアを開けてみた。

「な〜んだ。起きてたんだ。」

目の前には下半身下着姿の、私の愛しの彼。

「30分前に起きたのや〜。まさかノックだけで起きるわけねぇべ。」

…しかも、私が想像してた以上に普通だった。
部屋は相変わらず半分散らかってて、隣の部屋には布団が敷いてある。
近々家を出ると言っていたわりには、正直に言って汚い。

「あ〜、寒いっ。」

そう言ってコタツの中に入りこむ。
そりゃ、下があんな状態なら寒いに決まっている。
もちろん、心の中だけのツッコミ。

「しかも、これ見てたのかよ。」

「これって何や。」

私の視界に入るテレビ画面。
DVDだろう。
映っているのは、…大分前のドラマだ。

「これ、何回見ても飽きねぇのや。コイツで4回目だ。」

「見すぎでしょ。」

呆れてものも言えない。

「ハルが見たいって言ってたDVDも借りて来たんだ。」

「別にいいのに。」

足元に置かれている、半透明のケース。
中に入ってるタイトルを見る。
…ホラーだ。

「よしっ。コイツも見終わったし、こっち見てみるか。」

もちろん、サイは前に一回見たことがある。

「一人にしないでね…?」

「大丈夫や。」

…その笑顔は信じられません。

「前と後ろ、どっちがいい?」

寒いので、私はコタツに入る事にした。
前に寝っ転がると、テレビが思いっきり見えちゃう。
ならば…。

「後ろがいい。」

チッという舌打ちが聞こえたのは、気のせいであろうか。


…一本目が終わったが、私が怖がって前にいるサイにしがみつき、テレビを見ようとしなかったのは言うまでもない。

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