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イズコノキオク4

[614]  春風揺  2010-01-26投稿
気付いたら朝8時。

自分の部屋から出るといつも亜海の部屋へ行く。
朝が弱く、俺が起こしに行かなきゃ平気で午後まで寝てる奴だ。

念のために言っておくが、兄妹の関係を越えようとなんて考えていない。
仮にも妹だ。

一応ドアをノックし部屋に入り、奴のベッドが戦跡のようになっていた。

前言撤回、こいつはゴリラだ。核を越えた力のゴリラだ!!

折角、容姿端麗で食事も上手い。ただ朝の姿はこいつに好意を持っている奴には同情する。

亜海を起こし、朝食を食べて学校へ向かう。

席に着くと悪友が話しかけてきた。

「あ、そうだ。昨日の夜な、篠原からメールきてな。」

いきなりなんだ。

「篠原ぁ?2組の?」

「そ。その篠原がな、お前に彼女はいないのかだって。」

「知らん。」

隣りのクラスの篠原梓、なんか入学式の初対面な俺に熱烈ラブコールを送って来てた奴らしい。覚えないが…。

「知らんってあの篠原だぞ?彼女にしたいランキング2位のあの!!」

「そんな熱くなるなよ。ってかまだ諦めてなかったのか、あいつ。」

「―!!!」

「ぐわぁ!お前まずその右手を降ろそうか!そしてその右手に握っている鋭利な刃物を静かに床に降ろそうか!!」

ってかどっから出したそんな物騒なもん…。

「で、でもあの明るさと人懐っこさが俺には輝きすぎてて。っておいお前ら!」

クラス男子全員の目が危ない。殺意に満ちている。そして右手には鋭利な刃物が…。どこに隠してやがった。

そして羨望と殺意の心が篭った哀(あい)のラブコールが飛び交う。

『篠原のどこが悪い!』
『お前には勿体ないぐらいだ!』

『南無阿弥陀仏…。』

『一回死んでこい!』

既に死んでます。

キーンコーンカーンコーン。

助かった、4話で死ぬ所だった。

「恭介てめぇ後で覚えとけ!」

さっきまで優勢だったかのように言ってやった。

「ふん!俺の連合軍で相手になってやる!総員構えぇ〜!!」

「ごめんなさい。」

たった3秒で覆る優勢。すぐさま謝罪。

神様。チャイムで救われた儚く尊い命が、ただのイジ―\r

「死活問題だ」

―死活問題で失われようとしています…。

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