永久に§10§
結局、その日の学校帰りにサイにメールをしてみた。
《お疲れさま。1時間だけでいいから相手してくれない?》
…3分後。
サイからの返信は無かった。
5分、10分…。
いくら時間が過ぎても、サイから連絡はない。
私の心に、焦りだけが走る。
仕方なく、私はサイに電話をしてみる事にした。
『――お客様の都合により、ツウワガデキマセン――』
……え?
頭の中が真っ白になった。
思考回路がショートし、思わず携帯を落としそうになる。
…どうして? 何で?
メールが返ってこない理由が、分かった気がした。
…私は、捨てられたの?
答えの出ない疑問が、頭の中を駆け巡った。
そう言えば…、と昨日の電話の事が蘇った。
見知らぬ番号。
家電のだ。
…もしかして、あれはサイの実家の番号…。
その考えが頭に浮かんだ。
私はいてもたってもいられなくなり、その番号にかけてみた。
『もしもーし。』
受話器越しに女の人の声が聞こえた。
「あ、あの…。」
私はそこがサイの家かどうか尋ねた。
女の人は、そうだと答えた。
そして私は、サイにかわって貰えるように頼んだ。
『…はい?』
いつもより低く聞こえる声。
それが家族の前だからという事も分かっている。
これは、サイの声だ。
「私が誰だか分かる?(笑)」
私は思わず浮かんだニヤニヤ笑いをしながら言った。
『…もしかして?』
受話器の向こう側で、サイの笑いを感じた。
「名乗らなくても分かるでしょ?(笑) ところでさ、一体何があったの?」
少し強い口調でサイを問い詰める。
『ん? 別に何もないよ?』
「何もないならメールも電話も繋がるでしょ!?」
『何もないから、何もないんだよ。』
サイは私の質問を微妙にはぐらかす。
私は、それ以上サイを問い詰めるのを止めた。
こういう時のサイは、絶対に答えないからだ。
『…まぁ、何もないなら切るよ?』
それが仕方ないのは分かっている。
でも切りたくない私は、間をとってからサイに「じゃあね。」と言った。
…何もなくて良かった。
それが、私が一番最後に思った事だった。
《お疲れさま。1時間だけでいいから相手してくれない?》
…3分後。
サイからの返信は無かった。
5分、10分…。
いくら時間が過ぎても、サイから連絡はない。
私の心に、焦りだけが走る。
仕方なく、私はサイに電話をしてみる事にした。
『――お客様の都合により、ツウワガデキマセン――』
……え?
頭の中が真っ白になった。
思考回路がショートし、思わず携帯を落としそうになる。
…どうして? 何で?
メールが返ってこない理由が、分かった気がした。
…私は、捨てられたの?
答えの出ない疑問が、頭の中を駆け巡った。
そう言えば…、と昨日の電話の事が蘇った。
見知らぬ番号。
家電のだ。
…もしかして、あれはサイの実家の番号…。
その考えが頭に浮かんだ。
私はいてもたってもいられなくなり、その番号にかけてみた。
『もしもーし。』
受話器越しに女の人の声が聞こえた。
「あ、あの…。」
私はそこがサイの家かどうか尋ねた。
女の人は、そうだと答えた。
そして私は、サイにかわって貰えるように頼んだ。
『…はい?』
いつもより低く聞こえる声。
それが家族の前だからという事も分かっている。
これは、サイの声だ。
「私が誰だか分かる?(笑)」
私は思わず浮かんだニヤニヤ笑いをしながら言った。
『…もしかして?』
受話器の向こう側で、サイの笑いを感じた。
「名乗らなくても分かるでしょ?(笑) ところでさ、一体何があったの?」
少し強い口調でサイを問い詰める。
『ん? 別に何もないよ?』
「何もないならメールも電話も繋がるでしょ!?」
『何もないから、何もないんだよ。』
サイは私の質問を微妙にはぐらかす。
私は、それ以上サイを問い詰めるのを止めた。
こういう時のサイは、絶対に答えないからだ。
『…まぁ、何もないなら切るよ?』
それが仕方ないのは分かっている。
でも切りたくない私は、間をとってからサイに「じゃあね。」と言った。
…何もなくて良かった。
それが、私が一番最後に思った事だった。
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