携帯小説!(PC版)

最後の光

[436]  アイ  2010-01-30投稿
朝日が不気味なものに見えた時

僕の1日は終わったのだと思う

明日に希望が抱けなくて

昨日なんか忘れてしまいたくて

今日さえも拒んでしまったら

僕はどこに存在すればいいのだろう

何のために生きているのだろう

道筋は真っ直ぐじゃなくて

聞こえるのはひび割れた歌声

だけど歩かなきゃいけないから

簡単に絶望することもできない

退路を絶ったのは自分

後は時間に侵食されてゆくだけ

取り込まれて老人になってゆくだけ

光になれると信じていた少女

翼を持つつもりだった少年

すべての夢は美しく

儚い幻想となって消えてゆく

だからせめて心の安らぎを求めて

それがタバコの魅惑的な煙でも

すべてを忘れさせてくれる酒でも

現実逃避できる世界でも

あり得るもの

すべてにすがって生きてゆく

それが人間だなんて

それが大人だなんて

信じたくなくて目を閉じた

耳を塞いでも聞こえてくる街の雑踏

不機嫌な人であふれ返る地下鉄のホーム

大人が子供を愛するのは

分かる気がする

きっともうそれしかないから

無邪気さに任せるしかないから

憧れて信じてみるしかないから

翼を持てなかった無念を

光になれなかった夢を

美しい子供たちの影に重ねて透かし見る

万華鏡のような煌めきに

何故か涙が止まらなくなるんだ

明日はきっと素晴らしいよ

昨日は大事な思い出なんだよ

今日こそは笑わなきゃいけないんだよ

歩けるよ

まだ大丈夫だよ

生きてるよ

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