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天使のすむ湖12

[310]  雪美  2006-08-17投稿
夕方になると、香里の好きなワインとチーズが並んだ、夕食後にはワインを飲みながら、クラシックのチャイコフスキーのくるみ割り人形をかけながらすごす。中でも花のワルツは香里にピッタリの曲だった。

たわいもない小さい頃のことを話した。岬とすごした話をすると、香里はうらやましいといった感じだった。

父にいつも厳しくしつけられた香里は、友人を作る自由さえなくていつもキヨさんが学生時代から送り迎えをして、女子高に女子大という風に親の決めた通りに人生を歩んできたのだ、結婚相手すら決める自由もなく過ごしたのだった。だからだろうか、一樹のような美少年が現れるのをずっと待っていた。
「あなたは私を天使だといってくれたのよね、私にはあなたが天使に見えたわ、イメージ通りで柔らかい感じの美少年天使にね。岬さんを傷つけた、私はあなたに天使と言ってもらう資格ないのよね。」
「そんなことないよ、」
一樹はソファーで香里の横に座り、そっと髪をなでた。
「こんな澄んだ瞳をした人を俺は見たことがない、心変わりした俺が一番悪い奴なんだよ。もうその話はやめよう、俺が背負う事実なんだから。香里は俺だけの天使でいてほしいんだ。」
抱きしめると
「なんだかあったかいね、少し眠くなったみたい、ベットに連れてってくれないかな。」そういってもたれかかってきた。妙に興奮した自分を抑えながら、香里をそっと運んだ。
寝室にはラベンダーのにおいがして、ベットサイドの出窓には満天の星が見守る中、熱いキスをしてそっと白い肌に手を伸ばした。すけるような白い肌があらわになると、美しいものを汚しているような罪悪感を覚えながらも、男としての俺は正直でとまることはできなかった。快感の波が何度も押し寄せて、二人はひとつになっていた。
裸のまま明け方まで眠っていた。 

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