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天使のすむ湖13

[321]  雪美  2006-08-17投稿
紅茶の香りが漂うと、俺は目を覚ました。
ベランダには見事な朝日に照らされてオレンジ色した光の中に、白いワンピースを着た香里が紅茶を飲んでくつろいでいた。目を凝らすとやはり天使がいるように見えるのは香里の神秘的な魅力のせいだろうか。
「おはよう、紅茶飲む?」
何も言わずに、俺は後ろを回って抱きしめた。
「私今とっても幸せよ。」
「俺もだよ、香里、愛してるよ。」
熱いキスを交わすと、甘い紅茶の味がした。なんだか一つやり遂げたような気持ちだった。
「一度やってみたかったのよね、モーニングコーヒー朝日に照らされながら、実際コーヒーきらしてて紅茶だけどね。」
用意されたトーストを食べながら、はじめて寝室から見ると、広々した湖と森とその向こうに見える山々は、神の存在を否定できない景色であった。なるほど天才画家が愛した場所だけはあるんだなーと思っていた。
心配していた彼女の体力も見た限りでは大丈夫そうで安心した。香里はますます輝きが増して見えた。

日中はその日は香里には休むように伝えて、俺は忘れちゃいけない宿題を書斎で片付けながら、ちらつく香里の裸体が俺の脳裏によみがえりうそじゃないんだよなーなんて思うとまた抑え切れない自分を恥ずかしく思った。香里はそう思わせる何かがあるように思うのだ、岬も抱いたことはあるが、こんな思いははじめてだった。
手につかず能率も上がらず、窓を開けて空気を入れ替えた。
まだ亡くなるなんて、信じられなかった。今は香里を失いたくなくて、ここに来たことも偶然とは思えないのだった。
苦悩はまだ始まったばかり、もしも神様がいるなら香里と一緒に生きたいと願うばかりだった。

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