ネットを間に4
すみませんm(_ _)m
ネットの間から 1 ネットの間に 2 ネットを間に… 3 と、続きます。よろしくお願いします。
なぜだか無性に腹が立ってきた和田は、いい事を思いつきネットの中央に立った。瀬戸はのんきにボールをついている。
「…瀬戸、適当でいいんだろ?」
うなずいた瀬戸からボールが放たれた。それは書いてある字まで読めそうな静止画の中に落ちてきた。
予想外のうまさに、呆然とした和田は、腕を伸ばすタイミングがずれて引っかけてしまい、瀬戸の空振りをねらっていたトスより早くなってしまった。
これではただ自分がヘタなだけだ。だが次の瞬間、目をつぶった和田の腹に打撃音が響いたので、すぐ相手コートへ目を剥くとそれはラインいっぱいにつき刺さっていった。
「ちょっと長いですね」瀬戸は右腕をぐりっと回して、和田へ満足そうな笑顔を見せた。
「どうでした?僕…あの和田さん?」
「えっ?…あぁ、ほんと素晴らしい…よ。間に合うと思わなかった。オールラウンダーは知ってたけど、あのパスも…無駄にうまいし」
瀬戸はいや、そんなと気持ち悪いほどはにかんでみせているので、思わず笑ってしまった。 「うちのセッターの石川は、君の一つ下だよ。よろしく頼む」
「はぁ…あの、突然で驚かれるかも…知れないんですけど」
「なに…?」
瀬戸は後ろ手に手を組んで、和田を見下ろした。「僕の勝手な夢なんで、あれですけど…実は和田さんのトスで試合したいなぁ…なんて…ずっと前から思ってました。」
「……?」
「大学も追っかけだったんです。和田さんのトスにはりきってたら逆に全日に引っ張られてしまって…和田さんのおかげでもあるのでがんばりましたけど」
「瀬戸?」
「はい」
混乱した頭が、ようやく妥協点を見つけた。
「誰かと間違ってるんだな。どうするんだ?移籍までしてきて…」
「いいですよ。信じてくれるまで、僕は、和田さん以外のボールには合わせませんから」
優勝チームレギュラーと全日のエースが…。瀬戸のわけのわからない真っ直ぐさにぞっとした。
「…ダメだ。そんな理由で…潰れるだけだっ!」「大丈夫です。和田さんがレギュラーになってくれれば…の話ですけど」
瀬戸はボールを拾いにネットをくぐって行った。
ネットの間から 1 ネットの間に 2 ネットを間に… 3 と、続きます。よろしくお願いします。
なぜだか無性に腹が立ってきた和田は、いい事を思いつきネットの中央に立った。瀬戸はのんきにボールをついている。
「…瀬戸、適当でいいんだろ?」
うなずいた瀬戸からボールが放たれた。それは書いてある字まで読めそうな静止画の中に落ちてきた。
予想外のうまさに、呆然とした和田は、腕を伸ばすタイミングがずれて引っかけてしまい、瀬戸の空振りをねらっていたトスより早くなってしまった。
これではただ自分がヘタなだけだ。だが次の瞬間、目をつぶった和田の腹に打撃音が響いたので、すぐ相手コートへ目を剥くとそれはラインいっぱいにつき刺さっていった。
「ちょっと長いですね」瀬戸は右腕をぐりっと回して、和田へ満足そうな笑顔を見せた。
「どうでした?僕…あの和田さん?」
「えっ?…あぁ、ほんと素晴らしい…よ。間に合うと思わなかった。オールラウンダーは知ってたけど、あのパスも…無駄にうまいし」
瀬戸はいや、そんなと気持ち悪いほどはにかんでみせているので、思わず笑ってしまった。 「うちのセッターの石川は、君の一つ下だよ。よろしく頼む」
「はぁ…あの、突然で驚かれるかも…知れないんですけど」
「なに…?」
瀬戸は後ろ手に手を組んで、和田を見下ろした。「僕の勝手な夢なんで、あれですけど…実は和田さんのトスで試合したいなぁ…なんて…ずっと前から思ってました。」
「……?」
「大学も追っかけだったんです。和田さんのトスにはりきってたら逆に全日に引っ張られてしまって…和田さんのおかげでもあるのでがんばりましたけど」
「瀬戸?」
「はい」
混乱した頭が、ようやく妥協点を見つけた。
「誰かと間違ってるんだな。どうするんだ?移籍までしてきて…」
「いいですよ。信じてくれるまで、僕は、和田さん以外のボールには合わせませんから」
優勝チームレギュラーと全日のエースが…。瀬戸のわけのわからない真っ直ぐさにぞっとした。
「…ダメだ。そんな理由で…潰れるだけだっ!」「大丈夫です。和田さんがレギュラーになってくれれば…の話ですけど」
瀬戸はボールを拾いにネットをくぐって行った。
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