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Full Moon〜願事〜

[464]  ふく  2010-02-02投稿
君が僕を好きだと言ってくれた時
僕は君を友達以上に見れなかった
僕が君を好きだと気付いた時
君はもう他の誰かの所へ行ってしまった

すれ違いだらけの僕等だった
僕は自分を責め
君は僕を責める事は一度もなかった
せめて君が僕を責めてくれれば未練を残す事はなかった
綺麗な思い出も薄れた
それも言い訳でしかない

初めて君に会った日を思い出す
良く笑う子だった
誰からも愛されていた
君を好きだと言う奴は何人もいた
そんな君が僕を好きになってくれた
何も強要せずにいてくれたから僕は自由でいられた
それが心地良かった
側で笑っていてくれた
色んな話をしてくれた
頭の回転が悪い僕と頭の回転が良い君
だから何か良かった
君の話は面白かったし僕も笑っていられた
気が強い君
何処か謎めいていた君
たまに見せる弱さ
男の中にいても何故か違和感がなかった君
魅力的だったよ
思い出せば思い出す程に想いは強くなるばかりで
どうしようもないのにと溜息をついて空を見上げた

綺麗な満月

君から告白された日
あの時もこんな空だった
傷付けた事も君の気持ちもごまかすように空を見上げ君に言った
『満月だよ』
その言葉に君も空を見た
少し笑って君は僕を見た
『違うよ』
『いやそうだって』とムキになる僕に『違うよ少し欠けてるじゃん』と君もムキになって返した

くだらない言い合い
君にとってはどうでも良かった事だったはずなのにそんな言い合いに君は笑っていた

懐かしく思う
あのやり取りを
もう二度と出来ないのだから
もう一度してみたいのに

今日は本当の満月だよ
きっと君も納得してくれるはずだ

涙が目尻を伝う

『大丈夫』と君のように強くいられたら

こんなにも僕は弱く無力で
こんなにも君を愛してしまった

どうか幸せに
例え本心ではないとしても
いつかは心から君の幸せを願いたい

この綺麗過ぎる程の満月に

たくさんの幸せを君に

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