携帯小説!(PC版)

[466]  オレンジ  2010-02-05投稿


気が付くと
彼女が転がっていた

気が付けば
僕は涙を流していた

頬をつたう涙が床に落ちる冷たく転がっている彼女に落ちる

魂がなくなった君は
何も言わないけれど
甘えて話しかける君より
とても素敵だ

そして僕は彼女を
しっかりと抱き締める
僕の心はとても満たされて幸せだった

体温を失った
冷たい抜け殻の身体を

ずっとずっと
いつまでも抱き締めていた


そこで目が覚めた

いつもの朝

僕の横で彼女は
微笑んで甘えてくる

繰り返される日々
僕はとても気に入ってる
満たされてるから

感情的で情熱的な
彼女が愛しい

だけど…今朝見たあの夢は

あの不可解な充実感は
あの例え様もない安堵感は一体何なのだろう

夢は鏡の様に
自分の欲望を映し出す

本当に…そうなのだろうか

僕は本当は
何を望んでいるのだろう


気が付くと
ナイフが転がっていた

気が付けば
僕はナイフを握り締めて…

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