サークルチェンジ #40
翌朝、隼人は新聞配達をいつものようにこなす。
途中、正太の家の郵便受けにテストの結果を書いた紙をそっと入れる。
携帯電話を持たない隼人が正太にいち早く結果を知らせる唯一の方法だ。
するとその日の昼休み、一本の校内放送が鳴った。
「秋吉先生、秋吉先生、お電話が入っております。至急、職員室までお願いします。」
秋吉はすぐに駆けつける。
「はい、お電話代わりました。尾張ヶ丘高校秋吉です。
はい、私が務めておりますが。はい、あーそれでしたら是非。そうですね、そちらのご都合のよろしい日時をいくつか挙げて頂いて、こちらがそれに合わせるという形で…
はい、来週土曜日の午前中ですね。はい、はい。
いいえ、いいえ、こちらこそよろしくお願いします。
はい、失礼します。」
秋吉は受話器を戻すと、神妙な面持ちになった。
「やけに…タイミングがいいな。」
放課後もそのことを思案しながら、秋吉は野球部の指導に初めて向かう。
ちょうどランニング中のナインに視線を向けながらグラウンドに足を踏み入れると、即座に集合をかける。
そこに青山の姿はない。
「6月1日付で野球部の監督に就いた秋吉だ。よろしく頼む。」
部員たちはバラバラに挨拶を返す。
「早速だが、来週の土曜日に豊田中央Bチームとの練習試合が決まった。」
「えぇーマジで!?」
「Bチームって二軍だろ!?」
「試合やんの久しぶりじゃん!」
尾張ヶ丘ナインは突然の知らせにざわめく。
そんな中で、隼人だけは違う反応を見せる。
(トヨチュウと練習試合か…もしかしたら正太が掛け合ってくれたのかもなぁ。)
「コラコラ静かにしろ。」
秋吉がナインのざわめきを制し、話を続ける。
「みんなも分かってると思うが、夏の大会まで時間がない。
よって、今日から守備に重点を置いた練習をやっていく。
尚、打撃練習は試合前日にのみ行い、それを参考に打順は決める。」
「えぇーちょ、マジ?」
「夏は打てねーと勝てねーじゃん!」
「うわっ俺、ノック苦手
…」
秋吉が示したこれからの方針に、ナインから不満の声が漏れる。
「アップが終わり次第、ノックを始める。いいな!」
アップを終えたナインが渋い表情で各々の守備位置に散らばると、秋吉はノックバットを握った。
途中、正太の家の郵便受けにテストの結果を書いた紙をそっと入れる。
携帯電話を持たない隼人が正太にいち早く結果を知らせる唯一の方法だ。
するとその日の昼休み、一本の校内放送が鳴った。
「秋吉先生、秋吉先生、お電話が入っております。至急、職員室までお願いします。」
秋吉はすぐに駆けつける。
「はい、お電話代わりました。尾張ヶ丘高校秋吉です。
はい、私が務めておりますが。はい、あーそれでしたら是非。そうですね、そちらのご都合のよろしい日時をいくつか挙げて頂いて、こちらがそれに合わせるという形で…
はい、来週土曜日の午前中ですね。はい、はい。
いいえ、いいえ、こちらこそよろしくお願いします。
はい、失礼します。」
秋吉は受話器を戻すと、神妙な面持ちになった。
「やけに…タイミングがいいな。」
放課後もそのことを思案しながら、秋吉は野球部の指導に初めて向かう。
ちょうどランニング中のナインに視線を向けながらグラウンドに足を踏み入れると、即座に集合をかける。
そこに青山の姿はない。
「6月1日付で野球部の監督に就いた秋吉だ。よろしく頼む。」
部員たちはバラバラに挨拶を返す。
「早速だが、来週の土曜日に豊田中央Bチームとの練習試合が決まった。」
「えぇーマジで!?」
「Bチームって二軍だろ!?」
「試合やんの久しぶりじゃん!」
尾張ヶ丘ナインは突然の知らせにざわめく。
そんな中で、隼人だけは違う反応を見せる。
(トヨチュウと練習試合か…もしかしたら正太が掛け合ってくれたのかもなぁ。)
「コラコラ静かにしろ。」
秋吉がナインのざわめきを制し、話を続ける。
「みんなも分かってると思うが、夏の大会まで時間がない。
よって、今日から守備に重点を置いた練習をやっていく。
尚、打撃練習は試合前日にのみ行い、それを参考に打順は決める。」
「えぇーちょ、マジ?」
「夏は打てねーと勝てねーじゃん!」
「うわっ俺、ノック苦手
…」
秋吉が示したこれからの方針に、ナインから不満の声が漏れる。
「アップが終わり次第、ノックを始める。いいな!」
アップを終えたナインが渋い表情で各々の守備位置に散らばると、秋吉はノックバットを握った。
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