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精霊召喚-3

[1288]  ハッタリ野郎  2005-02-28投稿
 蹴っ飛ばされた美佐代はゆっくりと立ち上がって地面を見つめていた。こっちのほうも不気味といえば不気味である。
「あんたさぁ、私たちのこと、からかってない? 自分が今置かれている状況くらい把握したら? マジで殺っちゃうかもよ。」
いじめる側の女子生徒の1人が、カッターナイフを片手に脅した。それでも美佐代は動じなかった。
「こいつなんか変だな、前のときと反応が違いすぎる。ついにおかしくなってしまったのかな?」
津名はそう言って美佐代の髪の毛を鷲づかみにした。美佐代は抵抗しない。
「やっぱりおかしいぜ。おい、適当にこいつの目を覚まさせてやれ。でもやりすぎるなよ。お楽しみは最後だ。」
津名は女子生徒たちにそう指示した。そして美佐代の髪の毛から手を放した。そのとき、津名の手から美佐代の髪の毛が何本か落ちた。
「疋田、私、塩酸持ってるんだけど、結構使えそうだよね。」
こいつらは本気でいじめを楽しんでいる。一体塩酸をどうするつもりなのか。
「いいもん持ってんじゃんかよ。それをこいつの袖にかけてやれ。」
津名はそう指示した。女子生徒のうちの一人が少し声を立てて笑った。
「了解。照塚、楽しませてよ。」
悪魔だ。こいつらは悪魔だ。塩酸など直接肌にかければ皮膚など簡単に溶けてしまう。それを袖にかけるのならばもっと恐ろしい。皮膚は焼け爛れて袖にへばりついてしまうだろう。そうなることを津名は分かっていて命令した。
「・・・。」
美佐代は塩酸をかけられても叫び声一つあげなかった。
「・・・つまらんな。」
津名はそう言ってつばを吐いた。その間、美佐代の皮膚は音を立てて溶けていった。美佐代は痛がらない。それどころか、笑ってる?!
「頭からかけちゃえば? こいつがいい気になるのも程ほどにしてほしいからさ。」
信じられないことを頭の悪そうな女子生徒が軽いノリで口にした。
「バカ、そんなことしたらこいつマジで死ぬよ。」
優等生の女子生徒がすぐにそう言った。
「殺ったところで周りはまた行方不明だと思うだろうよ。でもまだ早い。こいつの声と涙を枯らすまで痛めつけてやるんだ。そうじゃないと俺たちの楽しみってもんがねえだろ。」
津名は人情のかけらもないようだ。平気で殺す、なんて言う。噂では津名はすでに殺したこともあるらしい。ただそれに周りが気が付かないでいるだけなのだ。

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