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天使のすむ湖14

[262]  雪美  2006-08-18投稿
香里と一夜を共にした翌日、俺は母に呼び出されて昼前に自宅に戻った。

 その日の昼下がり、一樹が心配したように、実はひどい頭痛が香里を襲い寝込んでいた。心配したキヨさんは一樹を呼ぼうとしたが、香里に今日だけは呼ばないでと頼まれて知らせずに休んでいた。

一樹は母からはこのごろ帰るのが遅いこと、それから今日が登校日だと知らされ、行くのをすっかり忘れていたのだ。担任からも呼び出され、そう言えば高校生なんだよなと他人事のように思い出された。
待っていた英治には質問攻めにあった。
「お前新しいか彼女が出来たって本当なのかよー」
「何で知ってんだよー」
「本当かよー岬が泣いてバイト先に来たんで、聞いたんだよーラブラブだったくせに岬と別れたのか?」
「まあな、」
「相手は誰なんだよー年上って聞いたんだけど・・・」
興味しんしんにきいてきた、
「ああ本当だよー、一目惚れなんだまるで雷が落ちたみたいに一瞬で恋に落ちたのさ、岬には悪いけど今は彼女に夢中なんだ。」
「おいおい、お前のファンが聞いたら泣くぜー」
「そんなこと俺には関係ないねーじゃあ俺は行くからー」
今度は英治が確かめるべく、後をつけたがその日は母との約束もあり自宅に戻った。

あの湖を離れてみると、ゆったりと流れるあの場所に比べたらなんかせかせかしているように見えた。
あれから岬は姿を見せない、気にはなるがあれだけ近くにいたのに今はかすんで見えた。
 

恋は理屈ではないと誰かが言った。
今はその意味が少しだけわかった気がした。

想い人は、哀しげな美しい天使のような人、今にも消えてしまいそうで、美人薄命そのままの人だ。

美人薄命とは、美しいばかりにいろいろな想いが集中し長生きできないことを言うという。そうなのかもしれない、どうすることも出来ないもどかしさに、自分の無力さを感じていた。

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