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永久に§14§

[548]  夏姫  2010-02-10投稿
そんな事を考えていた翌日の夜の事だった。
サイから連絡が来た。

『ケータイまだ復活しないんだよ。』

苦笑いを浮かべている気がするサイ。
私もつられて笑ってしまった。

「それは…ドンマイだね。」

ここまで来ると、呆れて何も言えない。

『誕生日も仕事だしや〜。』

「可哀想に。」

このままではサイの誕生日にメールも送れないし、バレンタインデーもチョコを渡せなくなってしまう。
私は思わず頭を抱えた。

『寂しい人間なのや〜。』

返す言葉さえ思い浮かばない。

『俺はそのうち死ぬんだな。』

ぽつりともらしたサイ。
私は、その言葉を聞いて絶句した。

「何でそんな事言うのさ。死んじゃ駄目だよ。サイがいなくなるなんて嫌だからね。」

目に涙を浮かべながらサイに訴える。

『まっ、多分大丈夫だと思うけどね。それに冬は雪が危ないからさ。何かあってからじゃ遅いと思って。』

淡々と話すサイ。

――私はその何かがあって欲しくないから言ってるのに…。

もちろん、サイに伝わる訳がない。

『まっ、ハルのお腹にいる俺の子供を俺だと思ってな。』

――ちょっと待て。今コイツなんて言った?

「子供なんてできてるわけないじゃん!」

『でもまだあの日は来てないでしょ?(笑)』

「そっ、それはそうだけどさ…。」

言葉に詰まり、言い返せない。

だが、お腹にサイの子供がいようといまいと、サイがいなくなって良い理由にはならない。

『まっ、俺の分まで頑張ってね。』

「サイの分までなんか頑張らないから。」

縁起でもない事ばかり言うサイを、思わず叱りたくなる。

「サイが死んだら、私が道連れになってあげるから。」

『そんなの俺が許す訳ないでしょ〜。あと、俺がいなくなっても自分を傷つける様な事はしちゃ駄目だからね。俺の努力が全部パアになるから。』

「…何もしないから、生きてて…。」


今日の会話は始終そんな状態だった。

私には、彼の無事を祈る事しか出来なかった。

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