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初恋 -ハツコイ- 5

[313]  2010-02-13投稿
「マコ!帰ろう」

あたしは高校生1日目が終わって、マコのいる教室に向かった。


「うん、帰ろー!」


あたしは初日から友達ができて、好調なスタートだった。

同様にマコにも友達がたくさんできていた。



「あ、安野さーん!また明日ねー!」


…?


下駄箱を出たところで、
誰かがあたしに向かって
手を振っている。


「ねぇ、あれ美和に言ってんじゃないの?」

マコに言われて気付いた。


―藤崎くん?



よく見ると、今朝話し掛けてきた藤崎康介だった。


あたしはどうすれば良いか迷ったけど小さく手を振った。




「ねぇ、あの人誰?」

帰り道でマコが
興味津々に聞いてきた。

「誰って…隣の席の男子だよ。藤崎康介くんっていうの」
「へぇー…初めて会ったにしてはやけに親しいんだね」


マコはなぜかニヤニヤしている。


「そーゆんじゃないよ…あの人はあーゆー性格なの」

あたしはため息を
つきながら言った。

マコは「なーんだ」ってガッカリしている。

初めて会ったのに、マコが期待するようなことになるわけがない。

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