もしも明日が3-4
放課後、指令が入ったことを若菜たちに知らせるために火葉は資料室に向かっていた。
「前回も前々回も、俺は若菜を巻き込んでる…のか?」
呟いてみて思う。
佐倉からのメールには追伸があった。
『異能力者の協力者がいるようだが用心しろ。
使えるようなら上が勧誘する動きを見せている。』
「もしそうなら…」
「火葉くーん。
鍵は空いてるわよー。」
若菜の声で現実に戻された火葉は躊躇いがちにドアを開いた。
「『仕事』かしら?」
にこやかに微笑みかける若菜。
今はどこかその笑顔に負い目を感じる。
「あ、ああ…。」
「そう。
資料はあるの?」
「一応…。」
若菜に資料を手渡すがすぐにその顔はしかめっ面に変わった。
「写真だけなの?」
「ああ。
名前も所属もわからないらしい。」
「そう。
紗綾、『仕事』よ。」
若菜が後ろのソファーに呼び掛ける。
すると腑抜けた返事と共に紗綾がソファーから起き上がった。
今まで寝ていたのだろう。
まだほとんど覚醒していない。
「……『仕事』?」
寝惚けたような声で紗綾が言った。
「そうよ。
これについての記憶を辿って頂戴。」
若菜はまた微笑んで言った。
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