携帯小説!(PC版)

温もり

[482]  となりのトトりん  2010-02-17投稿
冷酷なコンクリートの上で

頬杖をついている


青白い吐息は

月のない夜に
嫌に映えている


燭台の灯火は
それに呼応するかのように
微量ずつ
煌めきを発し
霧となり
冷酷な天へ昇華していく

青白い吐息は
切なさを染め
コンクリートの隙間から覗く生命は
潤いを隠せずに
泣いている

残酷な漆黒は
美しい花も
醜く爛れた
この眼球も

すべてを平等に
覆い隠した


冷たさは
人の温もりを
静かに吸って生きている

冷たさは
いずれ
温もりとなり
生きていく

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