肩甲骨と羽
「ねーよくきくけどさ」
「背中のケンコーコツは羽の名残ってはなし」
「マジ、ファンタジーじゃね」
「お前信じる?」
「や、なんか今日ガッコで聞かれた」
「でも羽あったらさー、便利だよな」
「寝坊しても1限に間に合うかんね」
「あー…」
「きっと羽にピアスとかする奴とかいんだぜ、鎖みてーにでっかくてさ」
「あとは染めたりしてさー」
「服とかどーすんだろーな」
「マジ、女はブラジャーつけっ時とか超ジャマんなるよな」
「マジ、ノーブラでも俺は全然かまわねーんだけど」
「あ、でもババアとブスは勘弁な。俺たれ乳苦手」
「てかさー」
「ケンコーコツって健康の骨って書くの?」
「や、マジ漢字とかわかんねーから」
「あ、ヘルスの方じゃない系?」
「マジウケる。俺ケンコーコツってヘルスの方だと思ってた」
「ハハ、俺実は漢検三級もってっかんね」
「はぁ?ケンコーコツなんて出ねぇよバカ」
「俺、読みだけなら異常に得意だし」
「マジ今はケータイで変換すりゃ何でも出んだからよくね?」
「わー」
「ケンコーコツって肩に甲羅の甲って書くんだ」
「超意外」
「てかやばくね?俺今、辞書引いてんし」
「やっべ受験以来」
「俺超エライ」
「てか甲羅の甲じゃ羽じゃなくて甲羅じゃん」
「マジカニ道楽だし」
「バカ、深い意味ねーよ」
「マジカニ食いてー」
「そ、俺ビンボーだからカニカマしか食えねーの」
「は?これ以上シフト増やしたら俺過労死すんし」
「マジ労働時間店長並だかんね?」
「ウケる、マジ消えろよお前」
「てか話戻っけどさー」
「信じる?ケンコーコツは羽の名残って」
「んー?」
「あー俺信じない派」
「だってさー」
「俺高所恐怖症だもん」
「きっと天使とケンカしたんだぜ」
「なんか負け惜しみとか俺的にありえんし」
「寝返りとか羽折れそうじゃん?」
「マジ寝返り万歳だし」
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