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天使のすむ湖16

[293]  雪美  2006-08-19投稿
夏休みももう後わずかなある日、書斎の窓辺からのぞいてる人影に気づいた。
「英治じゃないか、そんなところで何してんだよ、」
「一樹の彼女を見てみたくなってなー」
ニヤニヤと薄笑いを浮かべて英治は悪びれなく言った。
「つけて来たのかよー」
「まあな・・・」
「趣味悪いことしてんなよ、帰れよなー」
「俺にも紹介してくれよ、綺麗な人だなー宿題俺も見てほしいんだけどなー」
気がついた香里が中に招き入れたが、俺は内心入れたくはなかった。
書斎で簡単な挨拶をすると、英治はこの高級ホテル並みの作りに驚いて、きょろきょろしていた。
「お化け屋敷と聞いていたから信じられなくて、それでつけてきたんだ、こんなすごい建物見たことないし、本も半端じゃないんだなあ」
感心したようにくるくる見回し、落ち着かなかった。
「宿題しないならお前は帰れよ!香里は幽霊じゃないし、キヨさんは香里のお手伝いさんだよー」
この辺りは夜霧が深くなりがちで、確かにあの中で見たらお化け屋敷にも、香里やキヨさんが幽霊に見えても不思議はない。この白く大きな洋館は、確かに夜は何かが出そうで不気味に見えた。
 
真実を知った英治は少し不満そうだったが、事実は事実なんだから仕方がない。
「じゃあお化け屋敷で俺が取り付かれたと心配したのかよー」
「まあ、そんなところだなー」
宿題をほとんど手をつけていない英治に熱心に香里は教えていて、夜更けに帰る日が数日続いていた。
時々英治の香里をなめる様な視線が気になっていたが、俺は気がつかないふりをして二学期の予習を続けていた。
香里も英治に慣れて冗談を言ったりして、打ち解けたようで少し安心していたが、その油断が取り返しのつかない悲劇を生むことになるとは思いもしなかった。




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