呼び人 15
何だろう、この雰囲気は。
じっと興味深げに見ていると、机に突っ伏した彼の頭が僅かに持ち上がり、苛々マックスの暗い瞳で睨んできた。ので素早く目を逸らす。
友人の身に纏うどす黒い不機嫌な空気に中村心は先程から様子見を決め込んでいた。
が、いい加減周りの女子が「きゃあ落ち込んでるー!憂いがあるのもまたカッコイーイー!」等とふざけたことを言っているのを聞くのも嫌になってきたので、とばっちりを食う覚悟で再び伏せた彼の頭をつつく。
が、反応はない。
もう一度つついてやるが無視を通される。
こんな時の彼に効くのはただ一つだ。
「無視しないでよ。またいおりんと何かあったの?」
「……伊織とは、別にねぇよ」
思った通り、ようやくかったるそうに反応を示した冬夜に心は首を傾げる。
冬夜は伊織を話題に出すと必ず無視をすることはなかった。
「あれ、てっきりまた朝起こしに来たから不機嫌なのかと思ったんだけど」
「……………」
冬夜は目を横に泳がせ、乾いた溜め息を漏らす。
言うべきか否か。
友人に朝起きた出来事を話すことによって己の疲労がさめざめと蘇り、更に疲労が溜まるのではと冬夜は危惧した。
そんな彼の心中など知らず、心は彼に対し、残業で疲れ切ったサラリーマンみたいだなぁという伊織の抱いたものと同じ様な感想を抱いた。
じっと興味深げに見ていると、机に突っ伏した彼の頭が僅かに持ち上がり、苛々マックスの暗い瞳で睨んできた。ので素早く目を逸らす。
友人の身に纏うどす黒い不機嫌な空気に中村心は先程から様子見を決め込んでいた。
が、いい加減周りの女子が「きゃあ落ち込んでるー!憂いがあるのもまたカッコイーイー!」等とふざけたことを言っているのを聞くのも嫌になってきたので、とばっちりを食う覚悟で再び伏せた彼の頭をつつく。
が、反応はない。
もう一度つついてやるが無視を通される。
こんな時の彼に効くのはただ一つだ。
「無視しないでよ。またいおりんと何かあったの?」
「……伊織とは、別にねぇよ」
思った通り、ようやくかったるそうに反応を示した冬夜に心は首を傾げる。
冬夜は伊織を話題に出すと必ず無視をすることはなかった。
「あれ、てっきりまた朝起こしに来たから不機嫌なのかと思ったんだけど」
「……………」
冬夜は目を横に泳がせ、乾いた溜め息を漏らす。
言うべきか否か。
友人に朝起きた出来事を話すことによって己の疲労がさめざめと蘇り、更に疲労が溜まるのではと冬夜は危惧した。
そんな彼の心中など知らず、心は彼に対し、残業で疲れ切ったサラリーマンみたいだなぁという伊織の抱いたものと同じ様な感想を抱いた。
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