呼び人 17
「あーマジで…めんど」
「ほらほら、行くよ。早くしないと先行くからね」
「うっせーな…」
と言いつつも起き上がり机をあさって授業の用意を引っ張り出すあたり、何と言うか、可愛い。
男相手に可愛いという表現もおかしい気がするが、心の冬夜を見つめる目は親にも近いものがあった。
廊下に出て歩きながら冬夜はぶんぶん肩を回す。
「あー肩凝った!」
「あのねぇ…どんだけ寝てたの」
「一時間目から」
「…ずっと?」
「ずっと」
彼の睡眠時間を計算すると心は呆れた顔で肩をすくませる。
現在は五時間目である。
「もう勉強教えてやらないから」
「は、え、何で」
「自分で理解しようとしないで人に聞こうとするのが間違いだよ」
尤もな意見に冬夜はグッと言葉を詰まらせる。
「やっ、だけどなぁ、俺お前に見捨てられたらアカテンまっしぐらなわけで…」
「はぁ?教えて百点取れる頭脳あるんだから自分でやりなって!」
「だってめんどくさ…」
言いかけて、視界に入った心の顔がそれはもう恐ろしい形相であったため「いえ何でもないっす」と笑っておいた。
「いおりんに言い付けてもいいんだけどなぁ…」
「なっ、そ、そそそれだけはやめろ!!何があってもそれは…っ…たっ?」
ふいに、ドン、と肩に鈍い衝撃を受けて冬夜は軽くよろめく。
相手も同じ様に数歩ふらっとした後、ギロリと鋭い睨みを冬夜に突き刺した。
「どこ見て歩いてんだテメェ。気をつけろ!」
「何だと…?」
回復し始めていた機嫌が再び底辺に下がる。
隣で心はあちゃー、と額を押さえた。
始まった、チンピラ同士の面倒事が。
「ほらほら、行くよ。早くしないと先行くからね」
「うっせーな…」
と言いつつも起き上がり机をあさって授業の用意を引っ張り出すあたり、何と言うか、可愛い。
男相手に可愛いという表現もおかしい気がするが、心の冬夜を見つめる目は親にも近いものがあった。
廊下に出て歩きながら冬夜はぶんぶん肩を回す。
「あー肩凝った!」
「あのねぇ…どんだけ寝てたの」
「一時間目から」
「…ずっと?」
「ずっと」
彼の睡眠時間を計算すると心は呆れた顔で肩をすくませる。
現在は五時間目である。
「もう勉強教えてやらないから」
「は、え、何で」
「自分で理解しようとしないで人に聞こうとするのが間違いだよ」
尤もな意見に冬夜はグッと言葉を詰まらせる。
「やっ、だけどなぁ、俺お前に見捨てられたらアカテンまっしぐらなわけで…」
「はぁ?教えて百点取れる頭脳あるんだから自分でやりなって!」
「だってめんどくさ…」
言いかけて、視界に入った心の顔がそれはもう恐ろしい形相であったため「いえ何でもないっす」と笑っておいた。
「いおりんに言い付けてもいいんだけどなぁ…」
「なっ、そ、そそそれだけはやめろ!!何があってもそれは…っ…たっ?」
ふいに、ドン、と肩に鈍い衝撃を受けて冬夜は軽くよろめく。
相手も同じ様に数歩ふらっとした後、ギロリと鋭い睨みを冬夜に突き刺した。
「どこ見て歩いてんだテメェ。気をつけろ!」
「何だと…?」
回復し始めていた機嫌が再び底辺に下がる。
隣で心はあちゃー、と額を押さえた。
始まった、チンピラ同士の面倒事が。
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