空港に着いた哲彦を、麻由は飛びきりの笑顔で、出迎えた
「来てくれてありがとう。ごめんね…お金使わせて。」
「いいよ。俺的にも、この前会いにきてくれた、礼もあるし、何より九州って土地が、好きになっちゃったしな。あんまり、普段金使わないから、せめて、こうやって、会ってる時くらいね…」
「本当？ありがとう。めいっぱい、甘えていい？食事とか、私がごちそうするから…てゆうか、させて。お店以外で、お金使わなくていいから」
「え…でも、それじゃ」
「いいの。そうさせて欲しいから」
麻由の真剣な眼差しに、哲彦は彼女の思いを、了承した。
「ところで、店に行くまでの間、行きたいところがあるんだけど…」
「どこ？全然構わないよ」
「本当？嬉しいよ。○○ドームに行きたいの」
「○○ドーム？今日試合やってないよね。」
「試合なくても、見学出来るんだ。私ね、どこかに行くとかってデート、ほとんどしたことないから…」
「それって、いつも近場で食事とか、ってこと？」
「うん…。それに前に別れた人は、そういうの、全然してくれない人だったから」
「別に構わないし、それで楽しい時が過ごせるなら、喜んで。思う存分、甘えてよ」
「うん。なんか、泣きそうだよ。」
麻由は、少し目頭が赤くなっていた。
麻由のなかでは、哲彦は、他の客とは違う特別な存在になっていた。
だが、店に在籍している以上、客と従業員とゆう立場も守らなくてはならない
少し複雑な思いでいた。
「ねぇ？」
「ん？」
「哲さんにとって、私は今どんな存在？」
「どうって…」
哲彦は、正直答えに戸惑った。
質問の仕方が、麻由が、哲彦に客と従業員とゆう立場以上の感じがしたからである。
「麻由ちゃんは…どうゆう位置付けなの?俺は」
「いいの?正直に言って…」
「構わないよ」
「うん。あのね…まだ、友情関係だけど、いずれ、もっとそれ以上の関係が築けたらなあ…って思ってるよ」
（…うーん）
哲彦的には、麻由の思いは、嬉しいが、それ以上の関係を築くには、『距離』とゆう問題がある。
それは、『かすみ』に対しても、同じことが言えるのだが…
「そんな話も、後でしよう。とりあえず行こう」
「うん」
２人は、ひとまず、デートをすることにした。

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