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(新)エルファ・人形残酷物語2

[300]  ぐうりんぼ  2010-02-23投稿
 1人ぼっちのマルセルにとってエルファは唯一の家族である。

 だからマルセルはエルファを愛し、大切にしていた。

 エルファも人形冥利に尽きる事だろう。

 夢のような贅沢三昧な生活が出来るのである。

 しかし…

 これだけ裕福なエルファも、心の隙間を満たす事が出来ないでいた。

 いつも、1人ぼっちだからだろう。

 人形仲間がいなくて寂しい思いをしていたのだ。

 夕食の後片付けを済ませたマルセルは人形部屋(エルファのプライベートルーム)に入り、ゆっくりと語り合った。

 愛する人形パートナーの心の隙間を知るマルセルは、こんな提案をした。

「人形のボーイフレンドでも、探してあげてもイイわよ」

 マルセルの提案に、エルファは反応を見せた。

 が…

「男ナンテ…、イラナイ」

 意外だった。

 エルファは人間で言えば、二十歳前後の娘。

 人間と同じように、ボーイフレンドの1人や2人欲しいハズだが…

「どうして、いらないの?」

「興味ナイ、カラ」

 興味がない…。

 珍しい。

「じゃあ、何が欲しいのかしら?」

 エルファは傍のテーブルに置いてある1冊のカタログを手にした。

 マルセルに見せられたのは、ある箇所のページの商品の写真である。

「(写真見ながら)子供のお人形さんが欲しいのね?」

 マルセルの問いに、エルファはウットリした表情で答える。

「私ニ、ヨク似タ、可愛イ女ノ子、沢山欲シイ」

「そう、分かったわ」

 動く人形は、体を作って命を吹き込む子供で初めて新しい人形が出来上がる。

 結婚しなくても、性的関係を持たなくても…

 子供が欲しくなったら、いつでも作られるのだ。

 希望が叶えられそうで大満足のエルファ。

 ニヤリとした表情でマルセルを見つめる。

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