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(新)エルファ・人形残酷物語4

[297]  ぐうりんぼ  2010-02-23投稿
 子供人形たちはエルファを母親だと認識したのか…

 目を輝かせて、両手を上げピョンピョンと飛び始めた。

「ミャミャー! ミャミャー!」

 ミャミャとは、子供人形独特の幼児言葉でママと言う意味である。

 子供人形たちの声…

 子猫の鳴き声に近い高いトーンである。

「初メマシテ。私ガ、ママヨ!」

 エルファ・ママは笑顔は、笑顔である。

「ミャミャー、ミャミャー!」

「可愛イ、可愛イ」

 エルファ・ママは子供人形たちをしっかりと抱擁し始める。

 マルセルが暗い表情で戻って来た。

「エルファ、人形部屋での準備が出来たわよ」

 いつもなら…

 いつもなら、エルファはニッコリと微笑んで礼を言う。

 自分の身の回りをキチンとしてくれたり…

 話し相手になってくれたりするマルセルに感謝するのだ。

 だが今は、エルファの態度が変わった。

 マルセルには目もくれず、子供人形たちに声をかける。

「ミンナァ、ママト、オ部屋ニ、行キマショウ!」

「ミャーイ!」

 子供人形たちの元気な返事である。

「ミンナ、並ンデ、行進ヨォ!」

 子供人形たちは1列縦隊に並んだ。

「ミャ、ミャ、ミャ…」

 ママの手拍子に合わせて、元気良く行進して人形部屋へと入って行った。

 手拍子をやめたエルファはマルセルの方に視線を向けた。

「食事ノ用意ハ?」

「今すぐ用意してもイイけど?」

「何ヲ、シテイル? スグニ、用意、シナサイ」

 やけに、大きな態度にカチンと来たマルセルは思わず尋ねた。

「どうしたのエルファ?
 何だか急に、冷たい態度になって」

 エルファは何も言わず、ぷぃっと部屋の中に入って行った。

 ドアをバターンと閉められた時は、マルセルは何だか疎外された気持ちになった。

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