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(新)エルファ・人形残酷物語6

[281]  ぐうりんぼ  2010-02-24投稿
「ミャミャー」

 エルファ・ママの目を見て両手を広げる子供人形。

 名前はルラ…

 20体のなかで一番の泣き虫で甘えっ子である。

「私ノ可愛イ宝物。
 ゴメンナサイ、寂シカッタ、デショウ?」

 エルファは優しいママの表情でルラを受け取り、頬ずりした。

「ミャーァ」

 初めてのママの温もりに接して、ルラの表情がほころんだ。

 エルファはそのまま、部屋に戻ろうとした。

「待ちなさい!」

「?」

 背後からマルセルに声をかけられて、エルファは足を止めた。

 振り返ると、マルセルが緊張した表情で立ったままである。

「さっきから私は、アナタや子供たちの世話をしているのに何なの、その冷たい態度は? ありがとうとか、ゴメンナサイとか言えないの?」

「…」

 エルファはクールな眼差しでマルセルを見つめる。

「子供たちがウチに来てから、急に横柄な態度を取るなんて! どっちが主なのかしら!?」

 エルファはカッとなり、いきなり…

 マルセルの頬にビンタを2、3発くらわせた。

 マルセルは怯え、後退りし始める。

 エルファは今までにない、厳しい表情を見せた。

「ヨク、聞キナサイ。
 私ハ、気品溢レル、高級人形。子供タチ、優秀デ素晴ラシキ宝物。 
 下等ナ生キ物デアル、オ前ハ、今後モ、私ニ、忠誠ヲ、誓ワナケレバ、ナラナイ」

「馬鹿じゃないのアナタッ!? この家の主は、この私よ。忘れたのッ!?」

「今日カラハ、コノ私ガ、コノ屋敷ノ主。オ前ハ、私ノ、奴隷」

「エルファ…」

 信じられないような威圧的な態度を取るエルファに、マルセルは呆然となった。

 そのままルラを抱いたまま、エルファは部屋に戻り始めた。

「ミャミャー、オニャキャ(お腹)、チュイチャ(空いた)ー」

 空腹のあまり、ルラィはメソメソ泣き出した。


「可愛イ、ルラ。美味シイ、御馳走、用意、シテルワョ」

 エルファは、優しいママの笑顔で我が子をあやした。

 ルラは暖かいお部屋で、ママからご馳走を食べさせてもらった。

 ルラの場合は…

 人間の母親の母乳を混ぜた肉シチュー煮を哺乳瓶に入れて飲ませるのだ。

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