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同じ屋根の下、

[462]  那都美  2006-08-19投稿
中学に入学してから、もう3年が経つ。
クラス別けの紙をひとりで眺めながら、仲のいい友達の名前を探す。




「おい、間宮と一緒かよ」




後ろを振り返ると、小学校から仲のいい友達、平畑京香が笑いながら立っていた。
あたしも京ちゃんを見て言った。




「あたしもこうなるとは思ってへんかったわ」




何でも言い合える仲って最高だと思う。
悪友でありながら、親友でもある。あたしも京ちゃんもそう思ってる。
京ちゃんはあたしの頭を叩いて、 「教室行くで」 と早口で言った。
京ちゃんの言うとおり、あたしは3年1組に向かった。




「京ちゃん、今日部活あるん?」
「あらへんよ。 間宮はどないなん?」
「もちろん、あるに決まってるやん!」
「あーあー。 こいつに部活の話振らんかったらよかった」
「なんでよー」
「お前が部活の話し始めたら止まらへんやろ、この部活馬鹿」




あはは、と笑うあたしは本当に部活馬鹿だ。
中学に入って此の方、勉強も恋もせず部活一本でここまできた。
友達が恋愛話に花を咲かせている最中、あたしは目もくれず部活に専念していた。
というか、あたしは部活に恋をしているんだと思う。




「あーあ。 部活が好きやこ・・ ゆうてみたいもんやわ」
「なんやねんな。 ええやんか別に。 あんたが毛嫌いしすぎやねん」
「あの先生はあかんわ。 あの糞ばばあ」
「うちんとこかてそうやわ。 あの糞じじい」




クラス全員が揃って、担任の先生が教卓の前に立ち、いかにも深刻ムードに入った中
あたしの運命は、もう変わっていたのだと思う。

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