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短編・2ーC

[663]  いまい  2010-02-25投稿
私は夢のおかげで、繰り返しあの女を切り刻む。

そうしたことによって私は二度と現実世界では日の目を見られないことになるのだが…後悔しているのかどうか、私にはわからない。
刻んでいく瞬間、確かに私は生きていた。
おぞましい行為に身をやつし、血飛沫を浴び、「生」を全うしていた。
今となると女に裏切られた憤怒など取るに足りないことに思えた。
美しく軽薄な女の頭を傷だらけのちゃぶ台に乗せ、語りかける。

なぜなんだ、と。
なぜ、何回も見せる。

と、頭だけの女は答える 赤い唇が蠢く。

忘れないで。
あなたが忘れなければ私はずうっと生きられる

とするとこの夢を見せているのはこの女というわけだ
私は目を覚まし…確かな感触を残す両手を見る。

怖さはない。

だが、あのアパート…2ーCに行くのは心底嫌気がさしていた。

頭だけになったあの女の思いのままに私はその呪縛に縛られたまま永遠にも思える時を重ねていくのか。
それが罰なら。

私は喜んで死への階段へと進んで行きたい。
私の首をロープが締め上げた時に感じるのは
安らぎだろうか。
夢の終わりを望んで
今日も私は眠りにつく。

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