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(新)エルファ・人形残酷物語10

[269]  ぐうりんぼ  2010-02-25投稿
 そして、それから1年…

 20体の子供人形たちも、すっかりハーレス邸宅での生活に馴染んでいた。

 毎日、優しいエルファ・ママの愛に包まれながら、豊かな暮らしをしているのだ。

 広く素敵な部屋で、美味しい物をお腹イッパイ食べ、思いっきり遊ぶ。

 夜は温かいお風呂に入って気持ち良く。

 優しいママの子守唄を聞きながら、グッスリ眠る。

 毎日が幸せ気分である。

 ママとの語らいの中で子供人形たちは互いに、ママに対する思いを語った。

 人形幼児独特の拙い言葉なので、フツーの言葉に訳してみると…

「私たち、とっても幸せね?」

「幸せ?」

「こんなに広い豪華なお部屋で、ステキなお洋服を着て、美味しいご馳走をお腹イッパイ食べて、思いっきり遊べるじゃなーい」

「そうネェ。私たちって幸せだわ」

「ママのお陰だわ」

「ママのお陰ね」

「サイコーだわ」

 子供人形たちの会話にエルファ・ママは終始、笑顔笑顔である。

 レレと言う子供人形がママに質問する。

「ミャミャー、コレキャラモ(これからも)、ワタチチャキ(私たち)、チアワチェ(幸せ)?」

 エルファ・ママは当然のような顔をして答える。

「勿論。コレカラモ、ズット、幸セョ」

「ウワーッ!!」

 子供人形たちは皆、大喜びである。

 エルファは今、充実した気分に浸っていた。

 この屋敷の物は全てが自分の物なのだから。

 弱虫のマルセル・ハーレスなんて、主なんて思わない。

 今や…

 奴隷として一生、自分の下で働く身なのだ。

 私はエルファ…

 国一番の気品溢れる超高級人形である。

 

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