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(新)エルファ・人形残酷物語11

[292]  ぐうりんぼ  2010-02-25投稿
 マルセルがやって来た。

「エルファ、私は町へ出かけるから」

 マルセルの言葉遣いが気に障ったのか?

 傍にあったカップを投げつけた。、

 カップはマルセルの額に当たって、粉々に砕け散った。

 怯えるマルセル。

「無礼者ッ! 私ヲ、誰ダト思ッテルッ!? チャント、ヒザマヅイテ、敬語ヲ、使イナサイッ!」

 マルセルはその場にひざまづいて頭を下げた。

「申し訳、ありません」

「ミャハハハハハーッ!
 ミャブ! ミャブ!」

 おしゃぶりをくわえたままのルラが笑う。

 下を向いたままのマルセルは何も言わず、ジッと耐えたままである。

 エルファが指示を出した。

「明日ノ夜ハ、可愛イ、子供タチノ、バースデーパーティー。美味シイ御馳走、沢山、作リナサイ」

「かしこまりました」

 頭を下げたマルセル。

 子供人形たちから歓声が上がった。

「ビャーチュデー、ピャーチィ! ウレチィ、ウレチィッ!」

「ピャーチィ、ピャーチィ、ウレチィッ!」

 バースデーパーティーとは…

 子供人形たちが屋敷へ来てから丁度、1年を迎えての祝賀である。

 エルファが言った。

「明日ノ夜ハ、ミンナデ、楽シイ、パーティー、開キマショウ」

「ミャーイッ!」

 上機嫌の子供人形たち。

 その様子を…

 部屋の外のドア越しから、怒りの眼差しで見ている1人の人間の女性。

 私用の為に暫く、北の魔界へ行っていたグロリア・ハーレス…

 マルセルの妹である。

 人形たちの軽蔑な眼差しを背中に受けて、マルセルは暗い表情で人形部屋から出て来た。

 自室に入って、安楽椅子にぐたーッと腰掛ける。

「ハァ」

 思わず、ため息が出てしまった。

「姉さん」

 グロリアが入って来た。

 顔を上げるマルセル。

「グロリア…」

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