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来世で逢いましょう 第一話

[391]  カルロス伊藤  2010-02-26投稿
「辜負那个可以与行為領取」
(それは裏切り行為と受け取っていいんだな)
「是不那様!説着想辞去這个工作」
(そうじゃない!この仕事から足を洗いたいと言ってるんだ)
「そんな簡単に足を洗える世界だと思ってチャイニーズ・マフィアの一員になった訳じゃあるまいな」
「勿論そんな事は無い、だがどうしてもこの世界とキッパリ縁を切って日本へ帰りたいんだ。帰って普通の生活に戻りたいんだ。俺が今までしてきた事は口が裂けても言わない。どんな酷い拷問にあっても絶対に口を割らないつもりだ。頼む、お願いだ!」
「…ふん、勝手にするがいい。お前の代わりはいくらでもいる。…ただし、日本に帰った後の身の安全は保障出来ないが、その位は覚悟してるんだろうな」
「…勿論…心得てる」
「ふん、馬鹿な奴だ。日本人は間抜けが多くて困る。とっとと出て行け」

「…愚蠢第日本人」
(愚かな日本人め)


後藤健一はチャイニーズ・マフィアに日本の暴力団や警察、公安の情報を提供して報酬を得る、いわゆる情報屋として日本と中国を行き来していた。
約一年前、日本に滞在していた頃、九州博多で『MOTHER'S BAR』というバーに足を運んだ事があった。
その店のマスター西垣澪は、店の名前から連想する通り、常連客達からは“おふくろ”のニックネームで呼ばれ、母親の様なとても温かみのある女性で、客の誰からも親しまれ愛されていた。

幼少の頃、両親を事故で亡くし、母親の愛情に飢えていた彼は、歳が一回りも下の32歳の澪に母親のイメージをダブらせ、いつしかそれは男性が女性を愛する感覚に変わっていった。
後藤は日本に滞在中は足しげく澪の店に通い、何度かプライベートで食事をする仲にもなった。澪もそんな彼に次第に好意を持つようになり、店の店主と客という関係よりは若干親しい間柄というスタンスをとっていた。

1993年6月のある夜、後藤は静かに、そして極めて密かに中国を離れ、日本へと向かった。

(続く)

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