携帯小説!(PC版)

トップページ >> スポーツ >> サークルチェンジ #46

サークルチェンジ #46

[653]  Hollow Man  2010-02-26投稿
隼人は素振りをした後、一礼して右打席に入る。
(あのカーブは厄介だ。真っすぐ狙いで行こう。)

初球、服部が投じたのは大きなカーブ。
180?の長身右腕から弾き出された白線は、強烈なスピンによって一旦宙へ浮き上がると、そこからまるで頂上まで登り詰めたジェットコースターが急降下してくるかのような軌道を描く。
隼人はこれを見送り、1ストライク。
(なんか天井から落ちてくるみてーだ…今の球を打ってもボテボテのゴロだな。)

続く2球目もカーブ。
これは高めにすっぽ抜け、ボール。
隼人は一旦打席を外す。
(あんまりコントロール
は良くねーみてーだな。ストライクになる球も、コース自体は甘い。)
再びバットを構え、左足のかかとを上下させながらリズムをとる。

3球目、狙っていた直球が外角高めに来た!
隼人はこれを強振。
しかし、高々と上がった打球は二飛。
この所まともに打撃練習を行っていないせいか、感覚のズレからボールのかなり下っ面を叩いてしまった。
隼人は悔しそうな表情でヘルメットを脱ぐ。
尾張ヶ丘、一回表の攻撃は三者凡退。

その裏、いよいよ隼人がマウンドに上がる。
二度屈伸し、ロージンバックの粉を手に馴染ませた後、地面がまだ乾ききっていないため、スボンの後ろポケットにそれをしまう。

「ヨッシャッしまってくぞー!」
仁藤はナインを鼓舞した後、キャッチャーマスクを被り、腰を下ろしてサインを出す。
隼人は先頭の右打者に対して思い切りストレートを投げ込む。

「ボー。」
球審を務める豊田中央の大学生コーチのジャッジはボール。
初球は真ん中高めに外れた。

さらに試合の緊張からか2球目、3球目…と続けざまに外れ、結局四球で歩かせてしまう。

(っかしいな…)
隼人は首を傾げながら、足場を慣らす。
隼人にとっては約10ヶ月ぶりの実戦マウンド。ようやく紆余曲折を経て漕ぎつけただけに、高ぶる気持ちを抑え切れない。

立ち上がり、隼人はボールをコントロールする前に気持ちをコントロールできていない。

走者を背負い、セットポジションからの投球になっても、一向にストライクが入る気配がない。
バントの構えを見せる次の打者、続く3番打者へもストレートの四球を与え、いきなりノーアウト満塁のピンチを迎えてしまった。

感想

感想はありません。

「 Hollow Man 」の携帯小説

スポーツの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス