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blessing 1

[396]  時雨  2006-08-20投稿
窓際の席、前から6番目



そこは、私の特等席。





空が、綺麗だった。
雲と青空が交じり、晴れているのか曇っているのかよくわからない微妙な空の色が、私の目には凄く綺麗に見えた。

正直、驚いた。壊れた人形のような私の心にまだそんな感情が残っていたなんて。
感情は消え失せ、涙すらでない、渇ききった心に残ったものなんて無いと思っていた。



けれど、私は綺麗だと感じた。
今窓に映る空の色を。



でも、それで何かが変わるわけじゃないだろう。
それで私の感情が全て戻って来るのならば、私は此処まで酷くなりはしない。

戻って来て欲しいとも、このままでいたいとも思わない。
正直、そんなものはどうでもいい。



きっと、私はなにもかも諦めているのだろう。

生きることも、死ぬことも、





「死」の世界は、きっと崖下みたいなものだろう。
そこに墜ちれば、死ぬ。



私はきっと、その崖っぷちに居るんだ。

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