来世で逢いましょう 第四話1
1993年9月
この日は活発な秋雨前線の影響で朝から激しい雨が降り続いていた。その雨のせいもあってか、週末というのに店は開店から数時間経っても客は後藤一人だけだった。
「後藤さん今日は結構酔っ払ってるでしょ」
「そんな事無いよ。…ところで澪ちゃん、そろそろ考えてくれた?結婚の話」
「だからぁ、しませんって(笑)」
「えー、何でだよ。俺、若干髪薄いけど隠さず堂々と見せてるじゃない」
「そういう問題じゃなくて(笑)」
「俺みたいなちょっとハゲの…いや、陰のある男って、女性は惹かれると思うんだけどな…澪ちゃん俺の事嫌いかい?」
「うーん…まず前提として、後藤さん以外の人とも結婚しません。で、好きか嫌いかって言ったら好きよ。後藤さん人間的に凄くいい人だってのは今まで付き合ってきた中で分かったし…でもね、男として惚れるかって言ったら話は別なんだなーこれが。後藤さんとは一生付き合って行ける友達の様な関係になりたいな」
「あー、それって一番男がガッカリする答えだよね。傷付きはしないけど何だか上手い事騙された感じ」
「そうだ!じゃあこうしましょう。結婚まで至るかどうかは分からないけど、もし来世で巡り逢えたら付き合ってあげる」
「なんだそりゃ」
「いいじゃない、なんかロマンチックで。来世で二人が出逢う事があったらお付き合いしましょ!」
「ハイハイ、分かりました、先は長いなあ。何年先の話になるのかな…でも同じ時代に生まれてくるとは限らないし、もしかしたら澪ちゃんは人間で俺は蚊に生まれて、漸く巡り逢えて澪ちゃーん!って近付いて行ったら手でパチン!と潰される…なんて事は絶対やだな」
「あはは!そしたら蚊後藤は息絶える前にこう言うよね、せめて血だけでも吸いたかったー!って(笑)」
「うん、言うだろうね(笑)…それに、お互い前世でそんな約束したかどうかなんて分からないじゃん。…そうだ!何かキーワードを作ろうよ。来世で逢った時お互いだと分かる二人だけが知ってるキーワードを」
この日は活発な秋雨前線の影響で朝から激しい雨が降り続いていた。その雨のせいもあってか、週末というのに店は開店から数時間経っても客は後藤一人だけだった。
「後藤さん今日は結構酔っ払ってるでしょ」
「そんな事無いよ。…ところで澪ちゃん、そろそろ考えてくれた?結婚の話」
「だからぁ、しませんって(笑)」
「えー、何でだよ。俺、若干髪薄いけど隠さず堂々と見せてるじゃない」
「そういう問題じゃなくて(笑)」
「俺みたいなちょっとハゲの…いや、陰のある男って、女性は惹かれると思うんだけどな…澪ちゃん俺の事嫌いかい?」
「うーん…まず前提として、後藤さん以外の人とも結婚しません。で、好きか嫌いかって言ったら好きよ。後藤さん人間的に凄くいい人だってのは今まで付き合ってきた中で分かったし…でもね、男として惚れるかって言ったら話は別なんだなーこれが。後藤さんとは一生付き合って行ける友達の様な関係になりたいな」
「あー、それって一番男がガッカリする答えだよね。傷付きはしないけど何だか上手い事騙された感じ」
「そうだ!じゃあこうしましょう。結婚まで至るかどうかは分からないけど、もし来世で巡り逢えたら付き合ってあげる」
「なんだそりゃ」
「いいじゃない、なんかロマンチックで。来世で二人が出逢う事があったらお付き合いしましょ!」
「ハイハイ、分かりました、先は長いなあ。何年先の話になるのかな…でも同じ時代に生まれてくるとは限らないし、もしかしたら澪ちゃんは人間で俺は蚊に生まれて、漸く巡り逢えて澪ちゃーん!って近付いて行ったら手でパチン!と潰される…なんて事は絶対やだな」
「あはは!そしたら蚊後藤は息絶える前にこう言うよね、せめて血だけでも吸いたかったー!って(笑)」
「うん、言うだろうね(笑)…それに、お互い前世でそんな約束したかどうかなんて分からないじゃん。…そうだ!何かキーワードを作ろうよ。来世で逢った時お互いだと分かる二人だけが知ってるキーワードを」
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