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(新)エルファ・人形残酷物語17

[261]  ぐうりんぼ  2010-03-01投稿
「なーに、その本」

「人形総覧…人形の図鑑じゃよ」

「人形の図鑑?」

「今まで沢山作られた生きた人形の中で、代表的な物や有名な物が歴代順で紹介されている資料本じゃ」

「まさか、エルファもその中に?」

 パラパラとページをめくったマーペスト。

 お目当てのページを見つけると、本を広げたままグロリアに手渡した。

 ページに見入ったグロリアはビックリ!

 北の魔界を支配する大魔女王バルニラ・サタニアスは4体の女性人形を王女として大事にしていた。

 ページには、その4体の人形たちが正装した美しい姿で写った写真が載っている。

 ソフィア、ローズマリー、キャロライン、そして…

「ホレ、一番右側に写っとるじゃろう?」

「あの、エルファだわ」

 グロリアは食い入るように、写真を見つめた。

「エルファは仮の名前。
 本当の名前はエルミナスと言うんじゃ」

「エルミナスって言うの」

 ここでグロリアは、エルファに対して疑問が湧いた。

 向こうの国のVIPクラスの人形が何故、フリーラムランドにいるのか?

 マーペストは説明を続けた。

「エルファ本人がフリーラムランドにちょっと住んでみたい…って言うんで、大魔女王が期間限定で許可したらしい」

「エルファ…いや、エルミナスは向こうの国ではどんな人形だったの?」

「他の3体と同様に純粋で心優しい人形だと言う評判じゃがのう…
 4体の世話に直接関わった連中たちの話しじゃ…
 エルミナスは頭悪くて勉強嫌い。ヤキモキでワガママらしい」

「エルミナス本人はよく…自分は気品溢れる超高級人形だ…なーんて、よく自慢しているらしいけど?」

「自分を偉そうに、見せたがるんじゃあエルミナスは」

「大魔女王様も相当、手を焼いたんじゃないの?
 あんな出来損ないの王女様相手で」

「大魔女王様はとても寛大な御人じゃからのぉ…
 エルミナスも大事にされておった。夢のような贅沢の生活をしとったし、欲しい物は何でも与えられたって言うからの」


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