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夢十夜 〜第一夜〜

[691]  シナド  2010-03-02投稿
こんな夢を見た。

私は兵隊である。

どこか知らぬ異国の街の戦場にいる。仲間は皆死んだ。

私は沢山の死体の中、うつぶせになり死んだふりをしている。

敵の首領をしとめるためだ。

私はそれとはわからぬよう銃を構えて、じっとその男が来るのを待っている。

奴はもうすぐここに現れるはずなのだ。

そいつを殺せば私の国が勝つ。戦争が終わる。

だが私は間違いなく殺されて死ぬだろう。

足音が近づく。
奴がやってくる。
近づくまで待って間違いなく撃ち殺す。

私のいるところは日陰だが、空が眩しいくらいに真っ青なのはわかる。

足音が近づく。
奴がやってくる。

間違いなく殺す。
だが私は死ぬ、殺される。
間違いなく殺す。勝つ。戦争は終わる。

だが私は死ぬ。
俺は、死ぬ。

ああ、空が青い。

足音が近づく。
奴がやってくる。

奴がここまでやってきた時、俺は死ぬのだ。
俺は死ぬのだ。
俺は死ぬ。
俺は死ぬ。
死ぬ。
死ぬ。


心臓の音がうるさかった。






そこで目が覚めた。

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