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来世で逢いましょう 第七話2

[267]  カルロス伊藤  2010-03-02投稿
「何が気に入らないんだ権(ゴン)ちゃん…まぁ、大方の予想はつくけどな」
「九宝で密かにクーデターを企てている組織があるという話は、さっきの会談で報告がある前から薄々知っていた。政府としては断じてそれを阻止する方針だ」
「あぁ、軍も大方そういう意見が大多数だ」
「それがなんだい?私個人としては容認する余地も捨て切れていない、って…一体どういう事だよ」
「権ちゃん…俺達は中国と戦争を戦った。そして郷土の一部を奪われた。でも全て奪われた訳ではない。しかしだ…この戦争のきっかけとなった台湾侵攻により、台湾は完全に中国の一部となった。台湾は中国の一部ではない、ひとつの国家だと信じてきた台湾の人達は完全に故郷を失ったんだ」
「それは分かる。でもあれだけ、いつかは九州を中国から取り戻す、と息巻いていたのにどうして…」
「権ちゃん…俺達にはまだ国が有る、帰れる場所が有るんだ。だが台湾の人達はそれすら無い。きっと俺達が九州を取り戻したいと思う気持ち以上に、故郷を取り戻したいと思ってるはずだ。情報によると組織のリーダーは台湾から移住してきた人間だそうだ。台湾を取り戻す事は恐らく不可能に近いだろうから、第二の台湾を創り上げる志で今回のクーデターを企てたんだろう。俺はそんな彼女達の志を夢半ばで終わらせたくない…そんな心境になったんだ」
「お前昔っから革命だの維新だの大好きだったからな。ところで彼女って…女なのか?リーダーは」
「そうだよ。あれ、言わなかったっけ」
「いや、ネオと言う名前だけしか聞かなかったから…」
「なんでもえらい美人らしいぜ、歳も権ちゃんとあまり変わらないらしいし」
「そんな事はどうでもいい話だ。何れにせよ近い内にそのネオと言う女性とコンタクトを取らなければならないな」
「惚れたりすんなよ〜」
「馬鹿言うな!」
「ところで本日の〆は?」
「勿論荻窪だ」

(続く)

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