脆く、淡く 1
アタシの世界は回ってた。
毎日同じに
一定の速さで
早くも遅くもなく
グルグルと
ただ回っていた。
妹尾 優依
無力で弱い中学二年生。
アタシが学校に行かなくなったのは、いつからだろうか。
今思えば、アタシが生きている中で一番つまらない時間が、学校だった。
いじめられている訳でも、友達がいない訳でもなかった。
「おはよう」から始まって、「じゃあね」で終わるまで、ただ時間が過ぎるのを待った。
昔から、親の影響もあって、服や髪が普通の同級より少し派手だったんだと思う。
それを悪いと思った事はなかったし、特に困る事もなかったけど、それは小学生までだった。
中学に入ると、上下関係が生まれる。
先輩は後輩より偉く、全てに置いて権力を持つ。
「妹尾さん、だよね?」
入学式の次の日、アタシは三年生4人組に呼び出され、放課後の教室に残った。
「ねぇその髪、どうにかならない?」
意味はすぐ分った。
髪の色の事だろうな、と。
「一年にしては、派手じゃない?」
学年は関係ないだろ、と思いながらも、面倒くさいのが嫌で、
「はぁ…そうですね」
と軽く流した。
その態度が気に入らなかったのか、また質問が続く。
「分ってるなら直したら?それにそのピアスも。立場分ってるの?」
立場?
「それに、男子とも仲いいみたいだし」
「そうそう、色目つかって」
確かに女子より男子の友達の方が多かったけど、そんなのアタシの自由じゃないか?
「やば、先生来た!…じゃあそういう事だから。分った?」
それだけ言って、4人は去って行った。
分かるって何が?
アタシなんか悪い事した?
中学なんてこんなもんか、少しすれば何も言われなくなるだろう、
そうおもってた。
でも一ヵ月後、アタシは学校の厳しさを知った。
「妹尾優依、セフレ募集中」
その日学校で最初に目に入ったのは、その張り紙だった。
アタシの世界は、
その日から歪み始めた。
毎日同じに
一定の速さで
早くも遅くもなく
グルグルと
ただ回っていた。
妹尾 優依
無力で弱い中学二年生。
アタシが学校に行かなくなったのは、いつからだろうか。
今思えば、アタシが生きている中で一番つまらない時間が、学校だった。
いじめられている訳でも、友達がいない訳でもなかった。
「おはよう」から始まって、「じゃあね」で終わるまで、ただ時間が過ぎるのを待った。
昔から、親の影響もあって、服や髪が普通の同級より少し派手だったんだと思う。
それを悪いと思った事はなかったし、特に困る事もなかったけど、それは小学生までだった。
中学に入ると、上下関係が生まれる。
先輩は後輩より偉く、全てに置いて権力を持つ。
「妹尾さん、だよね?」
入学式の次の日、アタシは三年生4人組に呼び出され、放課後の教室に残った。
「ねぇその髪、どうにかならない?」
意味はすぐ分った。
髪の色の事だろうな、と。
「一年にしては、派手じゃない?」
学年は関係ないだろ、と思いながらも、面倒くさいのが嫌で、
「はぁ…そうですね」
と軽く流した。
その態度が気に入らなかったのか、また質問が続く。
「分ってるなら直したら?それにそのピアスも。立場分ってるの?」
立場?
「それに、男子とも仲いいみたいだし」
「そうそう、色目つかって」
確かに女子より男子の友達の方が多かったけど、そんなのアタシの自由じゃないか?
「やば、先生来た!…じゃあそういう事だから。分った?」
それだけ言って、4人は去って行った。
分かるって何が?
アタシなんか悪い事した?
中学なんてこんなもんか、少しすれば何も言われなくなるだろう、
そうおもってた。
でも一ヵ月後、アタシは学校の厳しさを知った。
「妹尾優依、セフレ募集中」
その日学校で最初に目に入ったのは、その張り紙だった。
アタシの世界は、
その日から歪み始めた。
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