疾走!ヒートハイウェイ(2)
「そうだ。走れ!」
逃げるアユミにシゲルもついていく。
そしてその二人を追い掛ける戦闘艇が…よく見ると手前の戦闘艇の後ろにもう一機、その後ろにもう一機の姿が見える。
「だめでしょ…こんなの…」
アユミは振り返る余裕もなく走ったが、聞いたこともない戦闘艇の風を切る音と、銃弾を連射する音がより一層不安を強くさせた。
「ったくしつこいな」
シゲルは後ろ向きに走りながら銃口を戦闘艇の胴体部に向けた。
先ほどの銃と形状が違っている。
必死すぎるアユミの頭ではその事実は追い付かなかった。
「もう逃げなくていいぞ。あいつの主砲はもう破壊したからな」
アユミはパニックだったが体力の限界であったため、やっと足を休めた。
シゲルのもつ銃からは戦闘艇の頭部まで光線が伸びており、注がれ続ける熱線に耐えきれなくなった戦闘艇は爆発し、川の中へと朽ち果てた。
安心したのも束の間、爆発の煙の中から二機に及ぶ戦闘艇が目の前まで迫ってきた。
「やべ、逃げるぞ」
シゲルは駆け出した。
「待って!」
シゲルは足を止めた。後ろでアユミが辛そうに肩で息をしていた。
「なんだよお前…こんなとこで」
「もう無理、走れないよ」
そう言ったとき、足元を見ていたアユミの視界にシゲルの顔が映った。
あまりの不意打ちにアユミは一瞬息を詰まらせた。
シゲルが、うっすらと笑みを浮かべながら、アユミに言った。
「じゃあお前、このこと担任に言わないな?」
「なっ何?こんなときに」
「お前、クラスのヤツにも近所のおばちゃんにも言わないな?」
「なに言ってるの…!じゃない、こんなの人に言ったって誰もわかってくれないよ!」
「よし、それでいい」
アユミの顔を覗き込むシゲルの表情はさらにニヤニヤし出した。
アユミの耳に戦闘艇の迫る音が響く。
だめだ、もうこんなに近い。
アユミはぎゅっと目をつむった。
目の横に汗がにじむ―――\r
「ほら、乗れ!」
シゲルの声。はっと目を開けたアユミの視線の先には―――\r
「恐…竜……?」
逃げるアユミにシゲルもついていく。
そしてその二人を追い掛ける戦闘艇が…よく見ると手前の戦闘艇の後ろにもう一機、その後ろにもう一機の姿が見える。
「だめでしょ…こんなの…」
アユミは振り返る余裕もなく走ったが、聞いたこともない戦闘艇の風を切る音と、銃弾を連射する音がより一層不安を強くさせた。
「ったくしつこいな」
シゲルは後ろ向きに走りながら銃口を戦闘艇の胴体部に向けた。
先ほどの銃と形状が違っている。
必死すぎるアユミの頭ではその事実は追い付かなかった。
「もう逃げなくていいぞ。あいつの主砲はもう破壊したからな」
アユミはパニックだったが体力の限界であったため、やっと足を休めた。
シゲルのもつ銃からは戦闘艇の頭部まで光線が伸びており、注がれ続ける熱線に耐えきれなくなった戦闘艇は爆発し、川の中へと朽ち果てた。
安心したのも束の間、爆発の煙の中から二機に及ぶ戦闘艇が目の前まで迫ってきた。
「やべ、逃げるぞ」
シゲルは駆け出した。
「待って!」
シゲルは足を止めた。後ろでアユミが辛そうに肩で息をしていた。
「なんだよお前…こんなとこで」
「もう無理、走れないよ」
そう言ったとき、足元を見ていたアユミの視界にシゲルの顔が映った。
あまりの不意打ちにアユミは一瞬息を詰まらせた。
シゲルが、うっすらと笑みを浮かべながら、アユミに言った。
「じゃあお前、このこと担任に言わないな?」
「なっ何?こんなときに」
「お前、クラスのヤツにも近所のおばちゃんにも言わないな?」
「なに言ってるの…!じゃない、こんなの人に言ったって誰もわかってくれないよ!」
「よし、それでいい」
アユミの顔を覗き込むシゲルの表情はさらにニヤニヤし出した。
アユミの耳に戦闘艇の迫る音が響く。
だめだ、もうこんなに近い。
アユミはぎゅっと目をつむった。
目の横に汗がにじむ―――\r
「ほら、乗れ!」
シゲルの声。はっと目を開けたアユミの視線の先には―――\r
「恐…竜……?」
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