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来世で逢いましょう 第九話3

[301]  カルロス伊藤  2010-03-04投稿
「フーッ、いくら話しても進展は無いようだな」
「そうみたいね」
「分かりました、今日の所はこれで帰る事にします。もう一度話し合う機会を設けましょう。今日の話を持ち帰って報告し、我々の中で再度議論します。何らかの譲歩案が出せるのであれば次にお会いする機会にそれを提示したいと思いますが如何でしょう」
「いいわ、そうしましょう」
「つきましては、次回はあなたを東京にお招きしたいと思っているのですが、差し支えないでしょうか」
「え?…うーん…それはちょっと」
「ネオさん、交渉というのは互いの立場をフィフティーフィフティーにしなければいけません。今回は私があなた方の条件を飲んで、身の危険を感じながらもこちらに出向いたのです。次はあなたの番ですよ」
「…分かりました」
「では、連絡の手段はどの様にしましょう」
「そうですね、誰かを介してだと色々面倒臭いし情報が漏れてしまう可能性もあります…どうでしょう、お互いのプライベートの携帯で連絡を取り合うというのは」
「いいでしょう」
「では赤外線で…」
「あ、ちょっと待って下さい。お恥ずかしい話、自分そういった近代的な方法というやつがどうも苦手で…出来れば口頭で言って頂けると…」
「このご時世にまだそんなアナログ人間が居たのね。フフッ、いいわ。wei.lai.guang@…」
「有難う。では空メールを送信します」
「あ、来ました…(i.am.sorry.japan@…)プッ!」
「え!何か可笑しかったですか?」
「ごめんなさい、あまりに“べた”なアドレスだったもので(笑)」
「ハァ…ところでネオさんのアドレスは中国語ですか?」
「ええ。未来光(ウェイライグアン)…未来に光を、我々組織の合言葉です」
(ウェイライ…はて?どこかで聞いた事ある様な言葉だが…)
「それではネオさん、またお会い出来る日を楽しみにしてます」
「楽しまれても困るけど(笑)分かりました。次回は良いお話が聞けるよう期待しております」


権藤は帰りの政府専用機の中で“ウェイライグアン”のフレーズをいつ何処で耳にしたのか思い出そうとしていたと同時に、NEOのメールアドレスを聞いた時、昔合コンで目当ての女性のそれをゲットした時と同じ高揚感を覚えた事を不謹慎に思い、自分を戒めていた。

(続く)

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