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天使のすむ湖18

[291]  雪美  2006-08-20投稿
 香里を襲う事件の後、英治は一樹に再度話があると言い出した。

一樹は目も合わせず先を急ごうとしたが、英治の180cmはある巨体が廊下をふさいだ。
「俺は用なんかねえよ。」
「そんなにとんがるなよー」
不機嫌にあしらうがかまわず英治は続けた。
「お前は大島とは正式に別れたんだよな〜」
「見ればわかるだろう、今は香里と付き合ってるんだから、お前じゃあるまいし二股なんてしてねえよ。それだけか?」
再び行こうとすると
「俺はずっと二人を見てきた。」
「だからなんだよー回りくどい奴だなー」
「俺は大島が前から好きだったんだ、」
「なに寝ぼけたこと言ってるんだよー本気なのかよ・・・」
英治の目は真剣そのものだった。
「くどいても構わないかなと思ってなー」
「どこまで本気なんだよー香里みたいに傷つけるつもりか?お前が岬を好きなのは構わないし、自由だけどなーいくら岬が元彼女でも、傷つけるような真似してみろ、今度は殴るだけじゃすまないからなー覚悟しとけよ。」
俺を挑発していると思った。
「お前はいいよなー大島はキュートでかわいいし、うちの高校にはお前のファンクラブまであるし彼女は美女の未亡人でモテまくりで女がほうっておかないもんなー」
「今度は嫌味かよー」
奴をにらむと、肩に手を置いて
「まあそう怒るな、俺は真剣だ、香里さんにはあんなことするつもりじゃなかったんだ、でも、二人きりでいたら抑え切れなくなったんだ。」
悪びれない言い方に、俺は切れた
「言い訳したってなー香里を傷つけたことに変わりないだろう。そんないい加減な奴に俺は友人だと思っていた自分にハラが立ってしょうがねぇんだよー岬にも近づくな、お前は自分のしたことがわかんねぇのかよー」
また、俺は英治を殴りつけた。
「待てよ一樹、俺が言いたいのは、大島の気持ちだ、お前を思って拒食症になってなー昨日精神科に入院したよ。告白もしたが、お前が好きだと振られたよ。あんなにお前を思ってるのに見ていられないんだよ。」
俺は凍りついた。まさかそんなことになってるとは、二人の大事な人を傷つけることしか出来ない自分に言葉が見つからなかった。
つまり香里を襲ったのは、英治が岬を苦しめた俺に復讐するためにしたことなのだ。




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