来世で逢いましょう 第十一話1
8月某日、NEOは権藤との二度目の会談を行う為、半信半疑ながらも東京新宿のとあるカラオケ店を訪れた。
「いらっしゃいませ!」
「あの〜…待ち合わせなんですが…さ、西郷隆盛って人です」
「あ、ハイ!承っております。213号室になります」
指定された部屋のドアを開けると、迷彩服を着た権藤が座っていた。
「お待ちしてましたよネオさん」
「お招き頂き有難うございます。先ずお聞きしたいのですが、メールに指定してあった西郷隆盛って…」
「あぁ、この店でのニックネームです。ご存知ですよね、幕末の志士、維新の三傑の一人で自分が最も尊敬する人物の一人です」
「ええ、知ってるわ。ちょっとフロントで恥ずかしかったけど。それと、その格好…」
「迷彩服ですか?まぁこれは昔の自衛隊時代の名残ですね、たまに無性に着たくなるんですよ、変装も兼ねてね。まさか総理大臣がこんな格好でカラオケしに来るなんて思わないでしょ?」
「でもまたどうして人の集まる新宿のカラオケ店なんかで…」
「赤坂の料亭なんて“べた”なとこ行ったりすると、マスコミどもが嗅ぎ付けるんですよ。逆に人がいっぱい集まるとこの方がかえって目立たない。このカラオケ店もしょっちゅう来るんですが、恐らく僕が総理大臣だと気付いているスタッフは今だに居ないでしょう…多分ですけどね(笑)」
「総理がカラオケを?お一人で来るんですか?」
「ええ、この仕事、結構ストレス溜まりますからね。一人で来て三、四曲熱唱して帰りますよ。ほんとは二時間位居たいとこなんですが何しろ忙しい身なもんでね」
「フフッ、変わった方ね」
「ええ、よく変人って言われます(笑)」
NEOの服装は半袖のTシャツにジーンズという至ってシンプルな格好だった。
「今日は前回とはガラッと雰囲気の違うファッションですね。それもまた素敵だ」
「あら、褒め殺しですか総理、それとも酔ってらっしゃる?」
「九州男児がこげなこつ酒の量で酔っ払ってどげんすると!」
「え!本当に飲んでらっしゃるの?」
「チョットだけ、ほんとにチョットだけね。よかったらネオさんも一杯いかがですか?話し合いというのは少しぐらいアルコールが入った方が腹を割って話せるもんです」
「…呆れた人ね…じゃあチョットだけ頂くわ(笑)」
内閣総理大臣と秘密結社のリーダーは、奇妙な場所で奇妙な乾杯を交わした。
「いらっしゃいませ!」
「あの〜…待ち合わせなんですが…さ、西郷隆盛って人です」
「あ、ハイ!承っております。213号室になります」
指定された部屋のドアを開けると、迷彩服を着た権藤が座っていた。
「お待ちしてましたよネオさん」
「お招き頂き有難うございます。先ずお聞きしたいのですが、メールに指定してあった西郷隆盛って…」
「あぁ、この店でのニックネームです。ご存知ですよね、幕末の志士、維新の三傑の一人で自分が最も尊敬する人物の一人です」
「ええ、知ってるわ。ちょっとフロントで恥ずかしかったけど。それと、その格好…」
「迷彩服ですか?まぁこれは昔の自衛隊時代の名残ですね、たまに無性に着たくなるんですよ、変装も兼ねてね。まさか総理大臣がこんな格好でカラオケしに来るなんて思わないでしょ?」
「でもまたどうして人の集まる新宿のカラオケ店なんかで…」
「赤坂の料亭なんて“べた”なとこ行ったりすると、マスコミどもが嗅ぎ付けるんですよ。逆に人がいっぱい集まるとこの方がかえって目立たない。このカラオケ店もしょっちゅう来るんですが、恐らく僕が総理大臣だと気付いているスタッフは今だに居ないでしょう…多分ですけどね(笑)」
「総理がカラオケを?お一人で来るんですか?」
「ええ、この仕事、結構ストレス溜まりますからね。一人で来て三、四曲熱唱して帰りますよ。ほんとは二時間位居たいとこなんですが何しろ忙しい身なもんでね」
「フフッ、変わった方ね」
「ええ、よく変人って言われます(笑)」
NEOの服装は半袖のTシャツにジーンズという至ってシンプルな格好だった。
「今日は前回とはガラッと雰囲気の違うファッションですね。それもまた素敵だ」
「あら、褒め殺しですか総理、それとも酔ってらっしゃる?」
「九州男児がこげなこつ酒の量で酔っ払ってどげんすると!」
「え!本当に飲んでらっしゃるの?」
「チョットだけ、ほんとにチョットだけね。よかったらネオさんも一杯いかがですか?話し合いというのは少しぐらいアルコールが入った方が腹を割って話せるもんです」
「…呆れた人ね…じゃあチョットだけ頂くわ(笑)」
内閣総理大臣と秘密結社のリーダーは、奇妙な場所で奇妙な乾杯を交わした。
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