来世で逢いましょう 第十一話3
「フーッ、中々話が進展しませんね。…どうでしょう、ここはひとつカラオケでも歌いませんか」
「ハァ?」
「歌でも歌って気持ちを切り替えてみるのもひとつの策です。それに、カラオケボックスに来て何も歌ってないのは何だか不自然で怪しまれます」
「え、ええ…」
NEOは(つくづく変わった人だな)と思うと同時に、一国のリーダーらしからぬ無邪気さを覗かせる権藤にちょっとずつ親近感を覚え始めた。
「じゃあ僕が先歌います。僕は懐メロが好きでね、80年代90年代活躍したサザンオールスターズというバンドが大好きなんですよ。ご存知ですか?サザン」
「ええ、知ってます、南部全星達ですね。私も今流行ってる曲なんかよりずっと好きです」
「そうですか!そりゃ嬉しい。じゃあ…あなたの名前に因んで“ネオ・ブラボー”という曲を歌います。あまりヒットはしなかったんですがね(笑)…じゃあ行きますね」
(情熱の放物線はネオ!OhOhOh!終わり無き世のブルース…♪)
「お上手ですわね、歌い慣れてるって感じがします。ちょっと物真似入ってました?」
「あ、分かりました?次はネオさんの番ですよ」
「あ、私はやっぱりちょっと…」
「それはズルいですねぇ。駄目ですよ、歌ってもらうまで話し合いは保留です」
「わ、分かりました…では私の母国台湾出身のテレサ・テンの“償い”を」
「いいですねー、台湾が生んだ永遠の歌姫ですね」
イントロが流れNEOが歌い始めた瞬間、権藤はカラオケの画面から彼女の顔の方に思わず視線を向けてしまった。彼女もそれに気付いたらしく、次の瞬間顔が真っ赤に染まった。
メロディーがカラオケの伴奏と全くと言っていい程外れていたのだ。
NEOは酷く“音痴”だった。
それでも途中で止める事なく、顔を赤らめながら歌い続ける彼女を見て権藤は、こんな完璧そうに見える女性にも欠点が有るもんだな、何だかとても可愛い人だ、と思ったと同時に、歌い終えた時どんなリアクションを取ればいいんだろう、と多少不安になった。
「ハァ?」
「歌でも歌って気持ちを切り替えてみるのもひとつの策です。それに、カラオケボックスに来て何も歌ってないのは何だか不自然で怪しまれます」
「え、ええ…」
NEOは(つくづく変わった人だな)と思うと同時に、一国のリーダーらしからぬ無邪気さを覗かせる権藤にちょっとずつ親近感を覚え始めた。
「じゃあ僕が先歌います。僕は懐メロが好きでね、80年代90年代活躍したサザンオールスターズというバンドが大好きなんですよ。ご存知ですか?サザン」
「ええ、知ってます、南部全星達ですね。私も今流行ってる曲なんかよりずっと好きです」
「そうですか!そりゃ嬉しい。じゃあ…あなたの名前に因んで“ネオ・ブラボー”という曲を歌います。あまりヒットはしなかったんですがね(笑)…じゃあ行きますね」
(情熱の放物線はネオ!OhOhOh!終わり無き世のブルース…♪)
「お上手ですわね、歌い慣れてるって感じがします。ちょっと物真似入ってました?」
「あ、分かりました?次はネオさんの番ですよ」
「あ、私はやっぱりちょっと…」
「それはズルいですねぇ。駄目ですよ、歌ってもらうまで話し合いは保留です」
「わ、分かりました…では私の母国台湾出身のテレサ・テンの“償い”を」
「いいですねー、台湾が生んだ永遠の歌姫ですね」
イントロが流れNEOが歌い始めた瞬間、権藤はカラオケの画面から彼女の顔の方に思わず視線を向けてしまった。彼女もそれに気付いたらしく、次の瞬間顔が真っ赤に染まった。
メロディーがカラオケの伴奏と全くと言っていい程外れていたのだ。
NEOは酷く“音痴”だった。
それでも途中で止める事なく、顔を赤らめながら歌い続ける彼女を見て権藤は、こんな完璧そうに見える女性にも欠点が有るもんだな、何だかとても可愛い人だ、と思ったと同時に、歌い終えた時どんなリアクションを取ればいいんだろう、と多少不安になった。
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