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Invisible Answerer -ep17-

[710]  へたれもち  2010-03-06投稿
やはり、信じるはずも
ないだろう。
それでいい…こんな事

信じる必要もない、
知らなくていい…。
知らなくて…いい。

汚れた金の世界、
血統が支配する世界…
それらのバランスを
保とうとするもの…

そのために…老若男女
関係無く殺した。

「昔がどうなのかは
知らないけど、それで
今を縛るのは良いとは
思えない。」

昔の事を後悔している
訳ではない、今…身体に
染み付いた…技術…

それを後悔している…
それが今を縛り付ける、
過去の遺物が…。

「もし…気持ちで後悔
してるなら…苦しみは
しない…ですが…。」

頬に暖かい感触がある。
これは…手?

「なら、何に後悔
しているの?」

その暖かい手は僕の
凍り付いた心には
熱過ぎた、
火傷する程に。

「それを知っても…
意味はないでしょう。」

だから、逃げる、拒む、
避ける…。
触れさせたくないから。

「その意味が
有るのか無いのかは
零の判断でしょ?」

…意味…意味…意味…
繰り返した、頭の中で、
隠さずに言うべきか?

「それは…。」

背後から異様な気配が
感じられた、
今までと違う。

覇気と表現すれば良いの
だろうか?殺気では無い
のだが…消えた?

圧倒的な覇気を持ち
ながら、それらを一瞬で
消した…。

「龍堂さん、逃げて
下さい…急いで。」

突如、金属の塊の
ような何かが転がって
来た…。

グレネード!?
とにかく投げ…いや…

「眼を閉じて、耳を
塞いでください!」

そのまま、龍堂を
押し倒すように
飛び込む。

眼を閉じても痛い位に
強い光に、つんざく
ような高音…。

「…まさか、これに
反応するとはな…お前は
素人ではないな。」

向こうから男が歩いて
来る、覇気を保ち一歩
づつ確実に。

「奇襲したことには
謝罪する。だが、
こうでもしなければ、
交渉するほどの勇気は
ないのでな。」

何を言っている…
それほどの覇気を放って
おきながら、臆病者だと
言うのか!

「…ただの駄目押し
でしょう? 」

男は表情を変えず、
無言で黙り込む。

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