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海賊と鬼使い 5

[342]  ホオズキ  2010-03-07投稿
「ハアッハアッ」
フウリ、鬼道丸、カイルの三人は息を切らせて睨み合っていた。
「こんな強い人間、久しぶりだぜ!!姫様、大丈夫か?」
鬼道丸がフウリの方を気づかって言った。
「大丈夫だよ。ありがとう。」
フウリが微笑んで言った。
「本当に強いな!お前ら!ますます仲間にしてぇ」
カイルがニコニコしながら言った。
「行くよ!」
「おう!!」
フウリが風の刃を飛ばし、鬼道丸が斬りかかった。

キキキキンッ!!

金属音が響き渡り、かすかな静寂が辺りを包んだ。
「面白そうな事してんじゃん、船長!!俺もまぜろよな。」
「ラウト!!」
カイルが叫んだ。
「あちらさんも二人だろ?これで二対二だろ」
ラウトが嬉しそうに両手に剣を構えた。
「退屈すぎて死にそうだったんだ。少しは楽しませてくれよ!!」
ラウトの登場に面食らっていた二人はフッと笑った。
「楽しすぎて泣いちゃうぜ?」
両者が飛びかかろうとした、その時。

ザバァァァンッ!!

「なぁっ!?」
いままさにぶつかり合おうとしていた剣をピタリと止め、四人は海から上がって来た巨大な生物を見上げた。
「しまった!!ここは大海蛇の縄張りだ!」
ラウトが叫んだ。
全長150メートルの体に、
直径10メートルの首。
海面から顔を出す巨大生物をフウリはチッと舌打ちして見上げた。
「鬼道丸!」
フウリに呼ばれ、鬼道丸は、サッとフウリの傍らにとんだ。
「『風切り』出せる?」
鬼道丸は少し考える素振りを見せた後、頷いた。
「ただ、足場が揺れるから、やりにくいです。」
「一瞬だったら、なんとか出来ると思う!!」
二人の様子を見ていたカイルがあわてて会話に割り込んだ。
「ちょ、ちょっと待て!!
お前らあいつを倒す気かよ!?」
それを聞いて二人はニヤリと笑った。
「「当たり前」」
ポカンとしていたカイルもやがて笑いだした。
「アッハッハッハッハ!!
お前らがそう言うとできそうに思えてくる。
よし、俺らは何をしたらいい?」
「ま、まさか船長!!」
ラウトがカイルを見上げた。
フウリは呆気にとられていたが、ニィッと笑うとカイルに「船を止めて」
と言った。
「よし、やるぞ!!」
カイルが叫んだ。



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